デイトリウムジャパン(以下、デイトリウム)は24日、同社のHCI「Datrium DVX(デイトリウム ディーブイエックス)」において、新たに「DVX Compute Node」のエントリーモデルとして、比較的軽めなワークロード処理や災害対策用途として1台構成のスモールスタートが可能なHCI「DVX Compute Node SYS-4」の販売を開始した。

  • DVX Compute Node SYS-4

    DVX Compute Node SYS-4

外部接続型の共有ストレージを必要としないHCI(Hyper Converged Infrastructure)は、システムの規模を柔軟に拡張可能であるため、初期投資を少なくして運用を開始できることが特長のひとつである。しかし、企業の重要なデータを安全に保護するには、複数台のサーバにデータを分散して保存し、それを別途バックアップして長期保管する必要がある、そのため、最小構成で導入する場合でもサーバを複数台用意するとともに、バックアップのシステムも必要となる。

そこでデイトリウムは、システム処理とデータ保護を切り分ける仕組みを開発。サーバーでは高速なデータ処理を優先させるために、仮想化ソフトウェアであるハイパーバイザーにDVX Softwareをインストールすることで、サーバ筐体内に搭載したフラッシュデバイスに全てのデータをキャッシュさせる。そして、サーバとは別筐体の「DVX Data Node」に永続データを保存し、安全なデータの保存とバックアップをひとつのHCIシステムとしてビルトインさせる。こうした仕組みにより、1台のサーバーでも稼働できるうえ、別途バックアップを用意する必要がなくなる。

  • DVX Data Node(HDDモデル)

    DVX Data Node(HDDモデル)

今回「Datrium DVX」のエントリーモデルとしてラインナップに追加された「DVX Compute Node SYS-4」は、Xeon Scalable Processor Silverを採用し、検証や開発環境など比較的軽めなワークロード環境に適し、HCIでありながらも1台構成が取れる非常に導入しやすいモデル。

また、Datrium DVXに災害対策を施すにあたり、コンピュート ノードとしてDVX Compute Node SYS-4を遠隔地サイトに採用することで、比較的安価に災害対策を実施することが可能。Datrium DVXではデータを遠隔地サイトにネットワーク転送するレプリケーション機能を標準で実装しており、データは圧縮と重複排除により削減され、ネットワーク効率の良い遠隔地データ複製を行える。また、アメリカ合衆国連邦政府が規定するセキュリティ規格のひとつである、堅牢なFIPS140-2暗号化をすべてのデータに施しており、機密性の高いシステムを構築することが可能となった。

  • DVX Software GUI

    DVX Software GUI

そして今回、企業データをAmazon Web Serviceにバックアップするソフト「Cloud DVX」が、Amazon Web Serviceの日本データセンターでの稼働をサポートした。これにより、ネットワーク遅延の少ないクラウド環境での災害対策サイトを運用可能になったとしている。

なお、DVX Compute Node SYS-4の仕様は、1Uラックタイプで、2x Intel Xeon Silver 4114、10 コア/ソケット、2.2GHz(キャッシュ領域SSDはオプションで選択可能)。参考価格は183万円。

  • Datrium DVX

    Datrium DVX