リクルートコミュニケーションズ、NTTデータ、NTTデータ経営研究所の3社は、これまで進めてきた、脳科学・人工知能技術活用による次世代マーケティングソリューションについての共同研究の成果に基づき、広告クリエイティブ効果予測ソリューション「NORCS(ノークス)」を共同開発したと発表した。

2018年7月より「NORCS」をリクルートグループの一部のテレビCM制作プロセスに導入し、精度の検証をしていくという。

これまで、テレビCMの効果は、アンケート調査によってその効果を計ってきたが、実際に視聴者はそのCMを見たとき、シーンごとにどう感じたのか、言葉では表現できない無意識の部分までは把握できなかった。

  • これまでの課題

NTTデータグループでは、2015年3月より実際に脳活動を計測してヒトの知覚内容を解読する「脳情報解読技術」を利用した動画広告等の評価・改善技術開発に着手し、2016年より広告評価サービスを開始するなど、脳情報通信技術分野の研究開発ならびにビジネス展開を進めてきた。

その結果、TVCMのシーンごとに視聴者が「認知している対象(例:女性、子供)」、「認知している動き(例:食べる、飲む)」、「感じている印象(例:怖い、かわいい)」など、脳の感じている情報を名詞、動詞、形容詞に置き換えて、その強弱を含めて把握することが可能になったという。すでに2万語以上の言葉に置き換えることができるという。

  • 脳情報を言葉に置き換えて見える化

今回の3社取り組みは、この技術を利用し、完成したTVCMが視聴者にどういった効果をもたらすかをシーンごとに事前検証可能にするもの。

これにより、実際の“ヒト”を対象にしたアンケートを介さず、制作した広告クリエイティブが一般生活者のブランドへの態度変容などをどの程度起こすかを、機械的に自動で予測できるという。

NTTデータグループでは世界に先駆けて脳情報の利用による革新的なソリューション開発を進めており、コンテンツ産業・広告・製造業など、五感を通した価値体験を提供する幅広い企業に対して、コンテンツや製品の最適化ソリューションの提供を目指してく。