兵庫県加古川市は7月18日、都市の安全・安心を実現するために推進しているスマートシティプロジェクトの取り組み状況を発表した。

同市は、都市の安全・安心を柱とする情報通信技術利活用基盤を活用した取り組みを推進しているが、特に、安心して子育てを行う環境の整備や高齢化社会に対応するため、地域総がかりで見守る地域コミュニティの強化に注力している。

市独自の先行事業として、通学路を中心に見守りカメラ・見守りサービス検知器を市内1500カ所に整備している。官民連携の取り組みとしては、複数の見守りサービス事業者の見守りタグ(BLEタグ)の信号を受信できる、日本初の見守りサービス検知器も開発している。

こうした先行事業を受けて、公式スマートフォンアプリ「かこがわアプリ」の見守りタグ検知機能と郵便車両に搭載したIoT機器を活用し、よりきめ細かな見守りサービスを導入したほか、複数分野のデータを収集して分析などを行う基盤(プラットフォーム)を整備し、行政情報ダッシュボードの公開による市保有データの可視化・共有化を実現した。

  • 加古川市の取り組みの全体イメージ

NECは、EUで開発・実装された基盤ソフトウェア「FIWARE」を活用したスマートシティ向け「データ利活用基盤サービス」による支援を行い、加古川市が保有する防災関連施設や人口統計など各分野のオープンデータに加えて、かこバスの位置情報などのデータを蓄積し分析することで、ダッシュボードやバスロケーションステムなど地域課題解決に向けた新たなサービスの提供を推進している。

フューチャーリンクネットワークでは、スマホアプリ「かこがわアプリ」と「行政情報ダッシュボード」を構築した。

かこがわアプリでは、ユーザー登録された居住地域および現在地に応じて、緊急時に市からの重要なお知らせをプッシュ通知で受け取ることができ、さらに、複数の見守りサービス事業者の見守りタグ(BLEタグ)の信号を受信できる機能を実装した。

  • 緊急時における「かこがわアプリの見守り機能」活用イメージ

行政情報ダッシュボードは、プラットフォーム上に蓄積した「安全・安心をはじめとする複数分野のデータ」を地図上で重ねて閲覧できるウェブシステムとなっている。

そのほか、綜合警備保障(ALSOK)では、平成30年度末までに見守りカメラ・見守りサービス検知器を市内1500カ所に整備予定で、順次稼働・運用を進めている。加えて、加古川市と日本郵便株式会社との協定に基づき、加古川市内の郵便車両176台にIoT機器(道路保全のための画像撮影用カメラ、見守り共通検知器、走行データ収集用通信機器)を搭載した。

  • 郵便バイクへのIoT機器取り付け状況