パンチ工業は、7月18日~20日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている文化財の保存や復元に関する技術のほか、ミュージアム設備機器や教育施設のリニューアルに関する専門展示会「文教と公共の施設フェア 2018」において、3Dスキャナや3D CAD技術を活用したリバースエンジニアリングで文化財の保存支援を行なうソリューションの紹介を行なっている。
パンチ工業は金型部品製作に関するさまざまな技術的ノウハウを有する企業で、検査機器として3Dスキャナや三次元測定器などを活用してきた流れから、近年は、3Dスキャナによる金型図面の作成などを手がけるようになってきたという。
今回は、そうした3Dスキャナを活用したリバースエンジニアリングを、文化財などに適用できる可能性の探索などを目的に出展を行なったという。
近年は、絵画や美術品などの分野にもデジタル化の波が押し寄せている。例えば、2017年のCEATECではシャープが名画を8Kで撮影、8Kの大型モニタでそれを表示することで、名画の細かな部分まで鑑賞することを可能とした「8K CG ミュージアム」を出展していたし、有田焼の製作に3D CADと3Dプリンタが活用されるようにもなってきており、文化財や美術品のレプリカ作成にも、3D CADデータが活用されるようになってきていることを考えると、今後、3Dスキャナを活用したより精巧な3Dモデルデータの作成と、それを基にしたレプリカの作成ニーズなどが高まることが期待される。
同社としても、3D CADデータを作成した後、それに本物そっくりに色づけすることも可能であるため、ディスプレイ上で気軽に貴重な文化財を見たり、といったことが将来的にできるようになるのではないかとしており、新たな市場の開拓を積極的に行なっていきたいとしていた。