Mozillaは7月11日(米国時間)、「Modern codecs like AV1 can bring better quality video to the open web」において、YouTubeのような無料で閲覧できる動画サイトであっても、実際には動画を視聴するために費用がかかっていると指摘した。

その理由として、現在のWebではビデオの約5分の4がH.264と呼ばれるビデオコーデックを利用していることを挙げ、実際には無料のビデオを提供するために企業が何億円というライセンス料を支払っていると述べた。

しかし、現在はより効率の良いビデオコーデックを求めて技術的模索が行われていると説明。業界では複数のベンダーがファウンデーションを設立するなどして次世代コーデックの開発に取り組んでいるという。

現在MozillaはGoogle、Cisco、Amazon、Netflix、AMD、ARM、Intel、NVIDIAなどが参加する団体「AOMedia (Alliance for Open Media)」において次世代ビデオコーデック「AV1」の開発に取り組んでいる。AV1はGoogleのVP9をベースに、Daala、Thor、VP10などの技術やツールを取り込んだもの。

  • ほかのビデオコーデックと比較して高い圧縮率を実現しているAV1 - 資料: MSUCodec Comparison2017 Part V: High Quality Encoders|Graphics&Media Lab Video Group|Moscow State University提供

    ほかのビデオコーデックと比較して高い圧縮率を実現しているAV1 - 資料: MSUCodec Comparison2017 Part V: High Quality Encoders|Graphics&Media Lab Video Group|Moscow State University提供

MozillaはビデオコーデックとしてAV1を推奨している理由は2つあるとし、具体的に、AV1が「ロイヤリティーフリーで利用料金なしで使えること」「高い圧縮率を実現しており、従来のコーデックよりも優れた圧縮率を実現していること」を挙げている。