国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は7月9日(米国時間)、2018年年央の半導体製造装置市場予測を発表した。それによると、2018年の半導体製造装置(新品)の販売額は、前年比10.8%増の627億ドルと予測されており、これは、2017年に記録した過去最高値566億ドルを上回り、記録を更新する値となる。また、2019年も同7.7%増の676億ドルと、さらに記録を更新する見込みでもあり、半導体市場の成長に併せ、半導体製造装置市場の好調も続いていくことが見込まれるとしている。
2018年のカテゴリ別に見た装置市場は、ウェハプロセス処理装置が同11.7%増の508億ドル、その他の前工程装置(ファブ設備装置、ウェハ製造装置、マスク/レチクル製造装置)が同12.3%増の28億ドル、組み立ておよびパッケージング装置が同8.0%増の42億ドル、テスト装置が同3.5%増の49億ドルと予測されている。
地域別首位は韓国も、中国が猛追
2018年の地域別市場を見ると、韓国が前年に続き首位を守ると見られる。また、2位は2017年2位の台湾ではなく中国となる見通しで、台湾は3位に後退する予測となっている。地域別で見た場合、台湾以外は、いずれもプラス成長が見込まれており、台湾の設備投資の停滞感がうかがえる状況となっている。
成長率を見ると、中国がもっとも高い同43.5%、次いで日本が同32.1%、その他地域(主に東南アジア)が同19.3%、欧州が同11.6%、北米が同3.8%、韓国が同0.1%となっており、台湾のみが同マイナス7.2%となっている。日本の主な設備投資先としては、東芝メモリやソニーセミコンダクタソリューションズなどが見込まれている。
なお、SEMIでは、中国市場は2019年に同46.6%増の173億ドルと急増し、韓国を抜き去り地域別首位に躍り出る見通しだとしている。次いで韓国の163億ドル、台湾の123億ドルとなるが、2016年までは台湾が首位、2017年~2018年にかけて韓国、そして2019年は中国(予測)と、3地域が激しく入れ替わっており、今後の中国市場の成長がどのようになるのか、半導体製造装置メーカーは注目する必要があるだろう。
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 (予測) |
2019年 (予測) |
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中国 | 4.9 | 6.46 | 8.23 | 11.81 | 17.32 |
欧州 | 1.94 | 2.18 | 3.67 | 4.1 | 3.97 |
日本 | 5.49 | 4.63 | 6.49 | 8.58 | 7.72 |
韓国 | 7.47 | 7.69 | 17.95 | 17.96 | 16.31 |
北米 | 5.12 | 4.49 | 5.59 | 5.8 | 6.22 |
その他地域 | 1.97 | 3.55 | 3.2 | 3.82 | 3.75 |
台湾 | 9.64 | 12.23 | 11.49 | 10.66 | 12.3 |
合計 | 36.53 | 41.23 | 56.62 | 62.73 | 67.58 |
半導体製造装置(新品)の地域別市場予測(単位:10億ドル) (出所:SEMI 2018年7月) |