ノーリツは7月5日、空気熱とガスで省エネルギーでお湯をつくる家庭用ハイブリット給湯・暖房システムをリニューアル。「ユコアHYBRID」と命名し、戸建て住宅用を2018年9月3日から、集合住宅用を同12月3日よりそれぞれ発売することを発表した。

  • ノーリツのハイブリッド給湯機「ユコアHYBRID」

    ノーリツのハイブリッド給湯機「ユコアHYBRID」

ヒートポンプと高効率ガス給湯でエネルギー消費を低減

ハイブリッド給湯機は、電気を使って空気熱でお湯を沸かすヒートポンプ給湯機と、瞬間式でお湯をつくる高効率ガス給湯器(エコジョーズ)の長所を融合させることで、給湯・保温一次エネルギー消費量を、基準給湯器比で約44%減となる14.1GJ/年を実現したほか、従来型ガス給湯器比でCO2排出量を年間約670kg-CO2(約47%)削減できるとのことで、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)を中心とする省エネ住宅の設備として最適と同社では説明している。

  • ハイブリッド給湯機の概要

    ハイブリッド給湯機の概要

また、家庭の給湯利用状況を自動的に学習することで、お湯を必要とする時間帯と量を予測し、必要な時に、必要な量だけヒートポンプを作動させて貯湯する「スマート制御」を搭載。予測湯量が少ない台所だけでお湯を使う時間帯などは低温(46℃)で貯湯し、浴槽へお湯はりする時間帯などは高温(47~60℃)で貯湯するなど、貯湯タンクからの放熱ロスが少ない省エネ給湯が可能となっているほか、「貯湯予約機能」を活用することで、普段と生活時間が異なる場合でも、ヒートポンプの作動時間を台所リモコンで容易に変更することができるようになっている。

  • 給湯・保温一次エネルギー消費量を削減
  • CO2の排出量を削減
  • 給湯・保温一次エネルギー消費量を削減したほか、CO2の排出量も削減

浴室での事故を防ぐ安心機能も搭載

このほか、同社は2017年3月以降に発売している給湯器に入浴時のヒートショックなどの事故防止を目的とした「お風呂の見まもり機能」を搭載してきており、ユコアHYBRIDにもハイブリッド給湯器として初めて搭載される。浴室リモコンに人感センサを搭載することで、浴室への家族の入室・退室やどれくらいの時間、入浴しているか、といったことを台所リモコンで把握することができるほか、浴室リモコンの温度センサで、浴室内の温度を感知。浴室温度が低い場合には台所リモコンの画面に寒くなっている旨を表示し、浴室暖房の運転を促し、そのままリモコン上で浴室暖房の運転を開始することも可能となっている。

  • 浴室での事故防止につながる見まもり機能も搭載
  • 浴室での事故防止につながる見まもり機能も搭載
  • 浴室での事故防止につながる見まもり機能も搭載

さらに、ふろ設定温度よりも約2℃低い温度でお湯はりを行い、浴槽につかった後に設定温度まで沸かし上げる「ゆるやか浴機能」も搭載しており、急激な温度変化による身体への負担を軽減することも可能としている。

  • ゆるやか浴機能により、いきなり熱いお湯に入ることによる身体への負担を低減

    ゆるやか浴機能により、いきなり熱いお湯に入ることによる身体への負担を低減することが可能に

なお、同社ではハイブリッド給湯器はまだまだ知名度が低く、市場の成長期ということで、戸建て住宅向けとして初年度8000台の販売を目指すとしており、新築、リフォーム問わず、幅広い住宅に提供していきたいとしている。