NECと兵庫県西宮市は7月4日、災害対策の一環として非常時用メールシステムをNECのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」上に構築したと発表した。同システムは2017年4月から稼働しており、2018年2月に職員を対象に実施した訓練においてスムーズに利用できたという。
同市は阪神・淡路大震災の教訓から、2021年に危機管理センター機能を持つ第二庁舎をオープン予定など、災害時の事業継続性の強化に取り組んでいる。
コミュニケーション手段の確保を災害対策における重要課題として掲げており、普段から使い慣れたツールであること、かつ災害時のつながりやすさなどを考慮して、メールの可用性を高めることを検討してきたという。
今回、両者は市庁舎が被災した場合を想定し、同市のオープンソースを利用した独自のメールシステムをNEC Cloud IaaS上に構築した。
本番環境と同様のWebメールシステムを構築することで、災害時にも混乱を招くことなく、職員は円滑なコミュニケーションが可能になるという。また、平常時はサーバを休止状態にして費用を軽減できるメニューを利用することで、維持コストを抑えることも可能としている。
運用面では、セルフサービスポータルからの容易な操作でサーバの切り替えやメンテナンスが可能となり、非常時用のシステムとして最適な環境を実現したという。
同システムにより、災害時にも平常時と変わらない方法で職員間のコミュニケーションが可能になり、外部機関との緊急連絡の継続や住民からの問い合わせ対応を円滑に行うことを可能としている。
また、メールは兵庫県の情報セキュリティクラウドを経由しており、セキュリティも担保しているという。