JR東日本は、将来の労働人口の減少を見据えた仕事の仕組みづくりに向け、線路の状態を遠隔監視できる線路設備モニタリング装置を本格導入すると発表した。

線路設備モニタリング装置は、軌道変位モニタリング装置と軌道材料モニタリング装置で構成し、営業列車の床下に搭載。 軌道変位モニタリング装置は、レールにレーザーを照射して線路のゆがみを測定する。測定したデータは無線によって保線技術センターに伝送する。

  • 軌道変位モニタリング装置と軌道材料モニタリング装置

営業列車で測定するために、無人で測定する技術を確立し、待避線に入った場合や折返し運転を行った場合でも、位置を検知して自動的に処理するというまた、測定したデータの中から、ノイズ等が少なく最も品質の高いデータを選定する技術も確立したという。

一方の軌道材料モニタリング装置は、距離を測定できるカメラ(プロファイルカメ ラ)と濃淡が分かるカメラ(ラインセンサーカメラ)でレールとマクラギを固 定する金具(レール締結装置)の状態やレールとレールをつなぐボルト(継目 板ボルト)の状態などを撮影する。

在来線の最高列車速度である時速130kmでもマクラギ1本1本の状態を確認できる画像を収録でき、レール締結装置や継目板ボルトの不具合は、自動で判定できる技術を確立したという。

同社では、本装置の導入により、線路保守の分野でビッグデータ分析に基づく、CMB型(状態を把握して最適な時期に補修を行うメンテナンス)のメンテナンス手法の導入を図る。

軌道変位モニタリング装置は39台、軌道材料モニタリング装置は36台導入し、2020年度末までに50線区に導入する予定。

これにより、多いところでは毎週行っていた徒歩による線路点検作業を効率化でき、社員の安全性向上に加え、線路点検の品質向上も期待できるという。