日本ユニシスと北海道大学ロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点は、両者が保有する「画像解析技術」と「ペーパーマイクロチップ技術」を活用し、乳牛の発情、妊娠周期を手軽に、早く、高精度に分析する共同研究を開始したと発表した。
乳牛の妊娠サイクルにずれが生じると飼料量の増加、乳量の低下につながるため、酪農家の経営安定には繁殖成績の安定が必要不可欠になっているが、乳牛の周産期を把握するための手段である「プロゲステロン」を利用した妊娠検査は専門機関に委託することが一般的で、高精度な結果がわかる一方、判定結果まで時間がかかり、かつ、高額であることか課題になっているという。
北海道大学が取り組むペーパーマイクロチップ技術は、ろ紙に流路パターンが白抜きになるよう油性インクで印刷し、検出試薬を保持させた検査チップ。
今回、日本ユニシスはペーパーマイクロチップ用画像解析技術の研究開発、一方北海道大学はペーパーマイクロチップおよび分析アルゴリズムの研究開発を行い、「手軽に」「早く」「高精度な」妊娠判定を可能にするべく、共同研究を行う。期間は2019年3月まで。
日本ユニシスは、本共同研究での成果をもとに、「酪農現場向け生産支援サービス」として発展商品化を目指し、また、北海道⼤学との連携により、ペーパーマイクロチップ技術の酪農分野へのさらなる適用に加え、畜産を含む農業全般、血液・尿検査といった医療用分析、水質・土壌調査の環境分析、栄養成分や有害物質検出の食品分析、理科の実験ツールなど他の分野への展開も進めていくという。