日本マイクロソフトは6月28日、2018年4月30日(米国時間)にリリースされた、5回目のメジャーアップデートとなるWindows 10 April 2018 Updateの法人向け機能を紹介するプレスラウンドテーブルを開催した。このアップデートの目的は、プライベートや仕事において、時間を有効利用するためのアップデートだという。
タイムライン機能
タイムラインは、タスクバーの「タスクビュー」ボタンをクリックすることで利用できる機能で、過去に作業したファイル(30日間)やWebページの履歴を1 時間ごとにまとめて表示する機能。画面をクリックすることで、そのファイルを開くことができる。どこに保存したのか忘れてしまった場合など、作業中だったファイルを再度開きたいときに便利な機能だ。対応するアプリはOfficeやメモ帳など、マイクロソフト製品のみだが、将来的にはサードパーティ製のアプリにも対応するという。
モバイル連携
Android、iOS向けのMicrosoft Edgeが提供され、スマートフォンやタブレットで閲覧していたWebページをPCに送信し、途中から閲覧を再開することもできる。また、今後「Time Line Phone」という機能がリリースされる予定で、上で紹介したタイムラインをAndroidやiOSデバイスでも見られるようになる。さらに、「Your phone」というアプリもリリースされる予定で、スマートフォンにメッセージが来ると、同様に、Windowsにもメッセージが表示され、Windows上で返信も行えるようになるという。
Windows Analytics
Windows AnalyticsのUpgrade ReadinessとUpdate Complianceは、OSをアップグレードする際に参考するもので、Upgrade Readinessはアプリやドライバーの互換性を報告するもの、Update Complianceは、クライアントの更新プログラムの適用状況を把握するためのもので、いずれもWindows 10 Proで利用できる。なお、これらを利用するには、「Microsoft Operations Management Suite(OMS)」にサインアップする必要がある。
Windows 10 Enterprise E3以上で利用できるDevice Healthでは、現在、アプリでクラッシュしているもの、ドライバーで問題が起きているものを報告してくれる。
更新プログラムのインストール時間の短縮
更新プログラムの適用時の時間も短縮され、Creators Updateの際は約50分、Fall Creators Update時は約20分に、そして、今回のWindows 10 April 2018 Updateでは約10分に短縮しているという(4コアCPU、8GBメモリ、SSDハードディスクの場合)。
また、不具合により更新プログラムをアンイストールできる日数を10日から60日に延長している。
Windows Defender
Windows Defender ATP(Advanced Threat Protection)には、AIを使った自動調査と修復機能が追加されたほか、デバイスごとにセキュリティレベルを設定し、アクセスレベルを制限できる。
Windows 7からWindows 10へのアップグレード状況
プレスセミナーでは、2020年の1月にサポート終了となるWindows 7のアップグレード状況も説明され、楽天リサーチが今年の6月に実施した調査によると、中小企業における Windows 7サポート終了に関する認知度は55%で、Windows 10へ移行中の割合は42%にだったという。いずれも、1年前の調査に比べ9ポイント増加したが、日本マイクロソフトの担当者は「十分ではないが、進捗はして来ている。今後、活動を通して認知度を上げていきたい」と語った。