ザイリンクスとダイムラーは6月26日(米国時間)、車載システムの開発に関して提携し、オートモーティブアプリケーションの人工知能(AI)処理にザイリンクスのテクノロジを利用することを発表した。これにより、オートモーティブアプリケーションに搭載される組み込みAIのパフォーマンスが高まるとともに、低レイテンシと高い電力効率を実現できるとしている。
ダイムラーのユーザーインタラクションおよびソフトウェア担当ディレクターであるジョルジュ マッシン(Georges Massing)氏は、「ダイムラーのグローバルな開発センターとザイリンクスの専門エンジニアが協力することで、AIテクノロジを用いた製品の開発を加速させます。ザイリンクスとの戦略的提携を通じて、熱的に制限された環境での動作が避けられない車載システムにおいて、極めてレイテンシが低く電力効率に優れたソリューションを実現するテクノロジが当社にもたらされます。ザイリンクスの豊富な実績に強い感銘を受け、ダイムラーの将来の製品のために信頼できるパートナーとしてザイリンクスと協業を進めていくことにしました」と述べている。
また、ザイリンクスのオートモーティブ事業部シニアディレクターであるウィラード トゥ(Willard Tu)氏は、「最先端のAIアプリケーションにおけるダイムラーとの提携を発表できることをうれしく思います。ザイリンクスが提供する適応性の高いオートモーティブ向けアクセラレーションプラットフォームによりイノベーションを可能にする優れた柔軟性がもたらされ、ダイムラーのような業界トップ企業はインテリジェントな車載システムにニューラルネットワークを展開することが可能になります」と述べている。
現在、メルセデスベンツ研究開発センターにおいて、ザイリンクスのオートモーティブプラットフォームへのAIアルゴリズムの実装が行われており、同技術はメルセデスベンツの新型車に搭載される予定としている。