独自のアーキテクチャを統合したビジネスセキュリティソリューションを提供するウォッチガード・テクノロジー・ジャパンは6月27日、都内で新社長の就任会見と、製品戦略のアップデートについて説明会を開催した。
冒頭、WatchGuard Technologies アジア太平洋日本地域担当バイスプレジデントのシルヴァン・ルジュン氏は「アジア・パシフィック、日本における驚異的な成長は悪意あるものからの脅威のみならず、3つの要因によって支えられている。1つ目は、われわれが“ウオッチガーディアン”と呼称している優秀な人材に恵まれたこと。2つ目には、われわれに期待を寄せ、信頼してくれるパートナーの存在だ。そして、3つ目が“イノベーション”を次々に生み出すことを可能とするパイプラインの存在だ」と述べるとともに、革新を加速させるイノベーション・アット・スピードこそが日本、ひいては世界でウォッチガードが評価される要因であると語った。
次いで、ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン 代表執行役員社長に就任した谷口忠彦氏は新代表着任の挨拶を述べるとともに、日本国内におけるビジネス戦略について説明した。実は谷口氏、2001年にウォッチガードの営業社員として立ち上げに参画していた過去を持つ人物。
同氏は「入社から日が浅く情報を収集している最中」と前置きしながらも、“WatchGuardONE(ウォッチガード・ワン)”として日本国内で展開されているパートナープログラムの体系強化などにより、これまで以上に強固なパートナーリレーションシップの構築、競合製品に負けないサポートの実現を目指すと今後の展望を述べた。
そして、WatchGuard Technologies プロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデントのアンドリュー・ヤング氏から、グローバルでのセキュリティニーズの変化とウォッチガード製品戦略のアップデートについて方向性が語られた。
ヤング氏によると同社が得意とする「Firebox」に代表されるネットワークセキュリティアプライアンス製品やパブリッククラウド上でもセキュアな環境を講じることが可能な「Firebox Cloud」のような製品群を中小規模事業者、いわゆるSMBに向けてフォーカスを絞りユーザーにとって真に使いやすいパッケージを提供していくという。
加えて、脅威検知/レスポンス技術の「HawkEye G」、多要素認証ソリューション(MFA)を提供するdatablink、DNSレイヤセキュリティのPercipient Networksといった事業部門・企業買収により、より確かなサービスを提供していくことを強調した。
さらに、2018年のプロダクトテーマとして「クラウドベースのSecurity as a Service」「中核を成す技術領域へのAI・機械学習の利活用」「ネットワークの垣根を越えたセキュリティの提供」の3つが挙げられた。
十分な資金もセキュリティ人材も不足している、と現状を嘆くよりほかない中小規模の企業にとって、サイバー攻撃で被る被害は甚大だ。また、昨今では企業規模の大小に関わらず攻撃の的になる可能性も決してゼロではない。
すでに、提供が開始されているフィッシング攻撃対策の「DNS Watch」や、パブリックベータとして提供が開始された多要素認証(MFA)など、実際にプロダクトテーマに沿ったサービスによって、悪意ある者たちの脅威から解き放ってくれているが、今後どのようなカタチのSMB向けソリューションを投入してくるのか興味は尽きないため、同社の今後の動向に注目したい。