ヤンマーは、グループ会社であるヤンマーアグリが、位置情報やロボット技術、ICT技術を活用した自動運転トラクターをラインナップに加え「SMARTPILOT」シリーズとして10月1日から順次発売していくことを発表した。機能の違いによりオートトラクターとロボットトラクターの2区分、8製品が販売される。
作業内容やオペレーターの人数やスキルに応じて設定可能な2つのモードを備える「SMARTPILOT」シリーズは、直進のみを自動で行う「直進モード」と旋回に伴うハンドル操作、作業機の昇降などの操作をも加えた「自動モード」の2モードを搭載。操作・設定の司令塔には、防塵・防水性を考慮した10.1インチタブレットを採用している。タブレットでは作業領域や経路作成、運転軌跡確認なども行えるほか、2台での強調作業時には、片方から無人トラクターを制御できる。
位置測定には、衛星と基地局の2つの電波を利用するRTK-GNSS(Real Time Kinematic)を活用、オプションにヤンマー独自の基地局の設置も用意されており、補正情報から高精度な位置情報を得ている。上位版のロボットトラクターには、レーザーや超音波で物体との距離を計測するセンサー、自動走行の正体を確認できる3色のセーフティーランプによる安全確保、自動ブレーキ機能が搭載されている。
同社では、農地集約における経営の大規模化、就農者減少や高齢化による人手不足など農業分野における課題に言及、これら課題解決に、位置情報やロボット技術などのICTを活用。経験や勘に頼らざるを得なかった高精度な作業を省人化、最小限操作で実現するラインナップ「SMARTPILOT」として、今後も強化していく。