シーメンスPLMソフトウェアは25日、振動騒音、音響、耐久性などの主要分野における試験ベースの性能エンジニアリングのためのデータ収集、分析、モデリング統合ソフトウェア「Simcenter Testlab」の最新バージョンを発表した。

同製品は、これまで「LMS Test.Lab」と呼ばれ、厳しいスケジュール下で革新的なスマート製品を開発するためのフル機能をテストチームに提供するために設計されている。

次世代プラットフォームのSimcenter Testlab Neoは、試験ベースのエンジニアリング機能を拡張し、データ収集とデータ分析を独自に組み合わせたエンドツーエンドの耐久性テストが可能になっているほか、新しい音質エンジニアリングソリューションも搭載している。また、物理試験に仮想シミュレーションを組み込んだモデルベースのシステム試験を通じて、すべての開発段階でシステム検証を可能にすることで、Simcenterポートフォリオ内の統合性も強化されている。

Simcenter Testlabの最新バージョンでは、生産性の向上、確かな洞察の導出、信頼性の向上、コラボレーションの強化を促進する機能を提供する。Simcenter Testlab Neoプラットフォームとの新しいユーザーインターフェースを提供し、生産性と信頼性の向上、確かな洞察の導出、コラボレーションの強化といった最重要分野に高い基準を設定した。

データ収集とデータ分析を単一の環境に独自に組み合わせた完全エンドツーエンドの耐久性テスト機能を、Simcenterポートフォリオに組み込んだことで、さらに機能が拡張された。チャンネルのセットアップから測定、検証、統合、解析、レポートまでの一般的な試験キャンペーンのすべての段階をカバーするほか、荷重データの統合、正確なレインフロー法、実験的疲労解析などの長時間を要するタスクも、Simcenter Testlabの新しい荷重・疲労解析ソリューションによって迅速に実行できる。加えて、対話型および自動解析、高効率処理、アクティブ・レポートなどの機能と高速可視化ツールとの統合により、耐久性に関する重要な洞察を迅速に導き出すことができる。

また、新しい音質評価ソリューションは、対話型フィルタリング処理による校正済みオーディオ再生、ビルトイン・ガイダンス、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)の柔軟な組み合わせ、音質メトリクスなどの機能を提供し、騒音問題の対話型トラブルシューティングと設計バリエーションの迅速なベンチマークを可能にする。

モデルベースのシステム試験では、仮想モデルまたは仮想モデルと物理モデルの組み合わせ、あるいは物理プロトタイプとの組み合わせにより、開発サイクルを通して属性固有の評価を行うことができる。さらにSimcenter Testlabは、コシミュレーション用のSimcenter Amesimソフトウェアで作成された多様なモデルの統合や、実測値を使ったモデルベースの仮想チャンネルの作成を可能にし、デバイスの詳細な物理的洞察を導き出すとしている。

さらに、電気自動車(EV)のNVHや音響の設計機能が強化されている。EV車はICE(内燃機関)の騒音が低いため、風や路面、コンポーネント内の電気モーターなど抑止しがたい二次的騒音が顕著に感じられるため、空力騒音試験やロードノイズの伝達経路解析(TPA)、車内音響解析などの追加の試験手法やエンジアリング対策を施す必要があるが、これらもSimcenter Testlabで解決することができる。