ブリヂストンは6月26日、顧客へのさらなる価値を提供するためのスマートファクトリー構想を発表した。

同社のスマートファクトリー構想は、商品戦略、開発、製造、販売、製品使用過程など、バリューチェーン内で保有する情報を、同社独自のICT/IoT技術で繋ぎ、統合した情報のビッグデータ解析やシミュレーションを行うことで、迅速、高品質で効率的なタイヤ生産を目指すもの。

同社は現在、バリューチェーンのデジタル化に向けた技術革新を実行しており、その基盤となるのが「Bridgestone Intelligent Office(以下、BIO)」と「Bridgestone Intelligent Device(以下、BID)」。

「BIO」でバリューチェーンに蓄積されたデータの峻別と解析を行い、システム上で繰り返しシミュレーションを行うことで設備や装置を自律化させるアルゴリズムを算出。これを、生産システムを制御する人工知能(AI)を搭載した「BID」により、各製造工程に実装することで、市場におけるタイヤの情報や開発情報を自動的に製造工程へ反映し、必要な性能のタイヤを迅速に開発、製造することが可能になるという。

  • 高分子複合体の材料・構造・加工の技術・ノウハウを注入したICT/IoT技術

「BIO」、「BID」を活用した推進事例としては、設備のコントローラから装置の作動情報を自動で抽出する独自のタイミングアナライザー(TA)等 を「BIO」に取り込み設備稼働情報を仮想工場で常に把握。これにより装置故障の兆候を事前に 検知し、生産効率の向上を図ることや、熟練作業の定量データ化により製造ノウハウを若手技能員への技能伝承に活用することなどがあるという。