最新のICTソリューションが一堂に会する「Interop Tokyo 2018」会場には、様々なアイディア、趣向を凝らした製品やサービスが数多く展示されていた。ユニークなものばかりで、あちらを見ては“ワクワク”、こちらを見ては“ホウホウ、なるほど”と後ろ髪を引かれていると、「人工知能で、売れるトークのパターンが見つかる。」というバナーが眼に飛び込んできた。“人工知能”と“売れるトーク”……つまりは、セールスパーソンの手助けをしてくれるソリューションなのかと俄然興味を惹かれたのは、コグニティのブースだった。
コグニティが展示していた「UpSighter(アップ・サイター)」というソリューションは、トークやプレゼンテーションに含まれる情報量やロジック構成を解析して見える化するというもの。それに加え、営業成績の上位者のトークやプレゼンテーションとの比較や過去の自分自身のトーク・プレゼン内容との比較を容易に行うことができ、その変化量をグラフで確認することができるほか、「踏み込んだ説明:35%、別の話題への広がり:5%」といったように客観的なトーク内容を知ることができるという。
「UpSighter」には、言うなれば営業部のエースの傾向を把握し、トーク内容をパターン化する「UpSighter Standard(アップ・サイター スタンダード)」というサービスと、一人ひとりのトークを分析・診断しエースとの差はもちろん成長変化を見える化してくれる「UpSighter Boost(アップ・サイター ブースト)」というサービスのふたつが用意されている。特にユニークなのが「UpSighter Boost」で、「へー、こんな部分まで分析してくれるの!」という細やかさをもったトークの解析、エースとの比較がアウトプットされる点だ。起点となる提案や意見の量、データや事実情報を引用した量などが全体のトークの中でどの程度のウェイトを占めていたのかがグラフ・数値化されるとともに、聞き手にとってどの内容を印象付けることができたかや、次回以降のトークをより洗練させるためのアドバイスがAIによって自動で導き出してくれるのだ。
その双方のサービスの根幹を担っているのが、「CogStructure」と呼ばれる知識表現フレームワークだという。認知言語学者スティーヴン・トゥールミン(Stephen Toulmin)が提唱した論理モデルをベースに、コグニティ独自の拡張を行ったもので文章やスピーチ、会話など、あらゆる形で表現された人の思考を形式化することが可能だという。2016年から、製薬や不動産、保険や人材派遣といった業種の企業を中心に導入されており、既に約70社、3,000名のトークを解析した実績を有しているとのこと。
「個人任せになってしまいがちな対面営業のスキルやノウハウを継承したい」「できる営業パースンの話術を体系立てて新人教育に活かしたい」「どんなトークが実績に結び付くのか調査したい」などのように、ノウハウや暗黙知の見える化、教育コストの最適化、効果測定を行うことで業績向上などに寄与してくれる「UpSighter」。セールスパーソンの成績にばらつきがあって平準化を図りたい! という悩みを持つ経営陣の皆さん、一度このソリューションを用いて見える化を図ってみてはいかがだろうか? AIは仕事を奪うのではなく、御社に新たなスタンダードをもたらしてくれるかもしれないのだから。