タバコの臭いや過度な体臭といったものから、不快な匂いではないもののあまりにも強烈すぎる柔軟剤や香水の香りなど、本人は意図していなくても周囲に不快・不愉快な思いをさせてしまう。「ニオイが気になって仕事にならない!」「接客を受けたがあまりにも口臭がひどくて……結局なにも購入せずに帰ったわ」などいわゆる“スメハラ”に対してビジネスの現場では、空調機器を充実させる、本人の気付きを促すなどの対策を講じるケースも多く見受けられるようになった。そんななか、健康総合企業のタニタは、体臭や加齢臭、強すぎる香水や柔軟剤の香りなど、気になる身体のにおいをセルフチェックすることができるにおいチェッカー「ES-100」(オープン価格)を7月1日より発売を開始すると発表した。
このにおいチェッカー「ES-100」は、においの強さをレベル0から10までの11段階で測定・表示することが可能なエチケットアイテム。感覚に頼りがちなにおいの度合いを数値として見える化することで、周囲に不快な思いをさせていないかを自分自身で調べることが可能になる。
タニタのライフソリューション事業部企画課で課長を務める望月計氏によれば、体臭や加齢臭を気にする人が増加していること、例え良い香りであっても限度を超えたものは周囲に不快感を与えるなど、においへの関心が高まってきていると現況を分析。「においケア」が身だしなみのひとつになっていると述べた。
そもそも、“ニオイ”とひと言で表現してしまうと玉石混淆、様々なものが含まれるが、今回発表されたにおいチェッカー「ES-100」は、例えば汗臭や加齢臭などの皮膚ガス由来のニオイ成分のみならず、芳香剤や香水などの香りも含め、その強さを見える化してくれるアイテムとなっている。昔懐かしいポケットベル程度の大きさのボディサイズは携帯性も良く、測定する際には本体上部を展開させることで耳の裏側や背中といった部分をスマートに計測することが可能となっている。
また、東海大学理学部化学科教授で慶應義塾大学大学院非常勤講師の関根嘉香氏によれば、加齢臭の原因物質であるノネナールは30歳以降の男性で顕著な増加傾向が見られるが、じつは女性であっても同様に増加傾向が見られるといい、頸部など汗腺・皮脂腺の分布に関連した部位からニオイを放散するとのこと。気になる「ニオイがどこまで届くのか?」に関しても、ミドル脂臭の原因物質であるジアセチルは一般オフィス空間であれば25cm離れていればニオイは減衰するそうだ。
photo_center |I@000.jpg|I@001.jpg| |M@ニオイの原因となる物質がどの部位から放散されるかを示したのが写真左のグラフ。主に頸部や前額、腹部に集中しているのでそこをケアしよう。写真右は、最近その関連性が明らかになりつつある疲労臭と交感神経の動きを関連付けたグラフ。メンタルストレスが体臭にも影響してくるのだ|
人を印象付ける要素として、「身だしなみ」や「表情」、「態度や振る舞い」といった視覚情報、「トークの巧みさ」や「声音」といった聴覚や言語が関連付けられるとされているが、今後はさらに“におい”もその一因となっていくことだろう。ビジネスパーソンとして、相手に不快さを与えることのないよう、においチェッカー「ES-100」でセルフチェックを試みてはいかが?