ストラタシス・ジャパンは、製造向けに新たに開発された新しいFDM方式の3Dプリンティングシステム2機種をリリースしたことを発表した。販売開始日は6月20日。合わせて、豊田自動織機が3Dプリンティング・ソリューションを活用した最適化によって、同社の主要製品であるフォークリフトの塗装マスキング工程を改善する治具の開発に成功したことも発表した。

  • F900プロダクション 3Dプリンタは、MT接続インターフェイスを搭載、コンポジット材料にも対応する生産現場向けのシステム

    F900プロダクション 3Dプリンタは、MT接続インターフェイスを搭載、コンポジット材料にも対応する生産現場向けのシステム

今回リリースされたのは、新たな製造向けソリューション「F900」3Dプリンタシリーズと、ハイパフォーマンス材料に特化したFortus380シリーズの新システム「Fortus 380CF」。

F900は、幅広いアプリケーションに対応するスタンダードバージョン「F900」、航空機部品に必要とされるトレーサビリティと機能性を備えた業界初の航空機パーツ製造向け3Dプリンティングシステム「Stratasys F900 Aircraft Interiors Certification Solution(AICS)」、最も高いFDM再現性とULTEM9085樹脂に対応する高い機能性を備えたバーツを造形できる生産グレードのシステム「Stratasys F900 PRO」といった、3つのソリューションに特化したシリーズとして提供される。

一方、Fortus 380CFは、ストラタシスFDM 3Dプリンタの誇る高い精度と安定性に加え、導入しやすい価格でありながら高パフォーマンス材料であるNylon12 CF(カーボンファイバー入りナイロン12)マテリアルに対応する。

  • DM 3Dプリンタで造形した無垢の試作モデル(上)と、手作業による軽量化を行いFDM 3Dプリンタで造形した治具(中)、およびトポロジー最適化を行い、Fortus900mc 3Dプリンティングシステムで造形された治具

    FDM 3Dプリンタで造形した無垢の試作モデル(上)と、手作業による軽量化を行いFDM 3Dプリンタで造形した治具(中)、およびトポロジー最適化を行い、Fortus900mc 3Dプリンティングシステムで造形された治具

また、豊田自動織機によるフォークリフトの塗装マスキング工程の作業効率を飛躍的に高める治具は、PTCジャパンによるトポロジー最適化と、ストラタシスの高性能FDM 3DプリンティングシステムFortus 900mcによって開発された。この塗装用の位置決め治具は軽くて持ちやすく、正確な作業ができ、コストを抑えるための最適化が行われている。

開発にあたっては、まずPolyJet方式の3Dプリンタによる試作を行い、次にFDM 3DプリンティングシステムFortus 900mcとABS樹脂による試作と軽量化、さらにトポロジー最適化によって中空形状として再設計し、軽量化と耐久性の向上、コスト削減、作業効率の向上を実現した。その結果、作業時間を従来の60分から10分に短縮できたということだ。

なお、豊田自動織機により開発された治具(Stratasys J750、Objet260 Connex3、 F370)、および今回リリースされるFortus 380CFは、6月20日〜22日に東京ビックサイトで開催されている「第29回設計・製造ソリューション展」のストラタシス・ジャパンブース(東3、24-6)にて展示されている。また、F900は丸紅情報システムズのブース(東3、24-34)にて、様々な最新の3Dプリンティングソリューションや国内外の最新ユーザー活用事例とともに展示・紹介される。