パルコとクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」などを運営するCAMPFIREは6月19日、業務提携および出資契約を締結したと発表した。なお、業務提携効果を深化するために、パルコがCAMPFIRE の一部株式を取得する。
パルコでは2011年に投資型クラウドファンディング、2014年に現在の購入型クラウドファンディング「BOOSTER」をスタートした一方で、CAMPFIREは2011年に設立し、累計流通金額53億円、1万2000件以上のプロジェクトを掲載している。
両社は2017年12月、事業検証を目的に同一のプロジェクトに両社が共同で販売促進を行う部分連携を開始し、検証の結果、目標金額を超える調達金額を達成しており、相乗効果の実証に加え、ビジョンや企業風土の親和性を確認することができたという。
今回の提携では、全国展開するPARCO店舗やエンタテインメント事業を持つ同社の購入型クラウドファンディングと、CAMPFIREの顧客基盤やノウハウ、Webマーケティング力、購入型クラウドファンディング以外の金融サービスとの相乗効果により、流通総額として2020年に合計で年間200億円を目指し、新商品開発やクリエイター支援、地域活性化など幅広い領域でステークホルダーや世の中に貢献できるサービスに進化することを目指す。
具体的には「購入型クラウドファンディングの共同運営」と「新規金融サービスの共同検証」に取り組む。購入型クラウドファンディングの共同運営ではBOOSTERの会員、システムなどをCAMPFIREと統合し、BOOSTERのプロジェクト組成、PRを両社で行い、BOOSTERのプロジェクト全案件をCAMPFIREでも掲載し、購入できる仕組みにするほか、両社が共同運営することでリアルとWebを融合した相乗効果が期待できるという。
新規金融サービスの共同検証では購入型クラウドファンディングをはじとした検証を両社で開始。クラウドファンディングとパルコグループが持つリアル店舗を掛け合わせることで、Webとリアル双方で収集したデータを活用し、成長意欲のある組織や個人向けの金融サービス創出を目指す。
共同運営後のコンセプトとしては、これまでのアート、デジタル製品、地域貢献、環境活動などに、パルコらしいエンタテインメントに加え、幅広い領域でエンタテインメントを掛け合わせた商品やサービス、イベントなどを生活者に提供する。
また、プロジェクト実行者にパルコやCAMPFIREが持つエンタテインメント領域などの取引先をマッチングする機会を提供し、クラウドファンディングのサイト制作、リターン商品の制作・顧客問合せ対応・配送などプロジェクト実行者にとって課題となる業務を代行。PARCO店舗などリアル店舗を活用した販売促進のマッチング機会を提供するという。