安井建築設計事務所とトランスコスモス、応用技術は6月18日、ビルオーナー・ビル運用会社などに向けたICTによる施設マネジメント・ワンストップサービスを提供開始することを発表した。
安井建築設計事務所は2018年春に、医療施設やオフィスで施設マネジメントサービスを提供した実績を踏まえ、IoT環境センサーと建物3次元モデルを連携させた国内初の建築マネジメントシステム「BuildCAN(ビルキャン)」を構築。管理対象は清掃・修繕・改修・保守点検等各履歴に加え、IoT環境センサーによる照度・温度・湿度・CO2などの監視と分析、仕上材料や設備機器情報、図面や連絡網などに及び、これらをクラウド上でバーチャル建築モデルと有機的にリンクさせることで、建物の現状や経年変化をとらることができる。
今回、安井建築設計事務所がクライアントの要件を整理して全体をマネジメントするとともに、データ分析結果から施設投資に関するコンサルティングサービスを提供し、応用技術は、よりきめ細かく対応するためのシステムカスタマイズサービスを提供、トランスコスモスが施設モデルの2次元から3次元への初期データ移行やデータの維持・更新を提供する。
既存施設においても「BuildCAN」の基礎データとなる建物情報の準備は、3次元モデルや2次元データを活用できるため、保有施設ごと柔軟に対応することが可能。たとえばBIM(建物を3次元データ化したモデル)、PIM(パノラマ写真を活用した簡易なモデル)はもとより、一般的な2次元データ(CAD)や紙図面等からもデータ・モデル化して活用できる。また、クラウドだけなくオンプレミスニーズにも随時対応していく予定だ。
さらに3社は、今回のサービスにLCC(建築物の全生涯に要する費用)データ等のAI分析システムを融合させることで、バーチャル上で建物の将来予測を可能にする「建築のデジタルツイン・サービス」を開発していく予定だとしている。