米国のPerception Robotics、ハンガリーのOptoForce、デンマークのOn Robotは、合併によりベンチャー企業「OnRobot」を設立すると発表した。新会社は自動化におけるさまざまな課題に取り組み、協働ロボット市場の更なる成長に寄与するという。

新会社「OnRobot」は、包装、品質テスト、材料のハンドリング、マシン・テンディング、組み立て、溶接などの用途において人間の隣で安全に稼働する「協働ロボット」のパイオニアでありUniversal Robots社の前CEOであるEnrico Krog Iversenと、デンマークの投資ファンドであるDanish Growth Fundが共同で統合を行い、設立したもの。同社は、ロボット用アーム・エンド・ツーリング(End-Of-Arm Tooling: EOAT)の技術革新とユーザビリティーの向上を推進していくという。

新生OnRobotの母体となる3社は、相乗効果を持つアーム・エンド技術、それらの技術を容易に統合してよりよいサポートを提供する能力などにより選定されたという。On Robotは、ロボットアームに直接取り付けられるプラグ&プレイの電動グリッパーを提供しており、同製品は、エンジニアの作業なしに、ロボットと同じインターフェースからプログラミングと操作を実行できる。また、OptoForceは、産業ロボットが人間の手の器用さを必要とするタスクを自動化できるよう、ロボットに触感をもたらす力覚トルク・センサーを提供している。Perception Roboticsは、ヤモリに着想を得た、大型で平らな物品向けグリッパーや、応従性ゴム触覚センサーを搭載してロボットに触感を持たせたグリッパーなど、生物に着想を得たロボット・グリッパーを開発している。

新生OnRobotの本社はデンマークに設置され、Enrico Krog IversenがCEOとして指揮を執るが、3社の個別の業務と開発については各社が継続して行うことになっている。同社の設立により、世界中に広がるOnRobotの販売代理店は、ドイツ、中国、米国、マレーシア、ハンガリーのリージョナル・オフィスが提供する各地のセールス・サポート、テクニカル・サポート、製品トレーニングの活用が可能になるという。また、リージョナル・オフィスは2018年中にさらに増加する予定となっている。

なお、同社は、6月に独ミュンヘンで開催される展示会「Automatica」において、協働ロボットの開発と使用の両方を簡易化する複合ユーザー・インターフェースを搭載した、完全統合型製品を発表するということだ。