日本IBMは6月12日、生産現場における多種多様なIoT機器からデータを収集して管理し、データを分析して設備管理や予知保全といった業務に活用を可能にする、エッジとのデータ連携を行うアナリティクスクラウドデータ基盤として「CFC analysis platform」を発表し、7月4日から提供を開始する。

今回の発表に伴い、安川電機と日本IBMはエッジコンピューティング領域に搭載するソフトウェア「YASKAWA Cockpit」とCFC analysis platformを連携させるソリューション開発を行った。

CFC analysis platformは、IoT基盤としての機能と分析アプリケーションとしてのコンテンツから構成されるデータ基盤。

同基盤は、多種多様なIoT機器のデータが集まったエッジコンピューティングと連携し、データ収集や変換などのデータ管理を行うほか、設備管理、予知保全などのITシステムと連携し、分析モデルの作成、分析モデルの評価、分析モデルの更新を行う。また、これらの分析モデルをエッジコンピューティング上で稼働させることを可能としている。

さらに、OPC-UAやHTTPSなどの標準プロトコル・アダプターを提供するオープンな仕様のため、工場内で稼働する多様な設備・機器からさまざまなインプットデータを活用できる拡張性があることに加え、分析コンテンツにおいても数値データだけでなく、例えば設備の保全ログのようなテキストデータ、キズや不良を見つけるための画像データなど、データ種類における拡張性も備えてる。

安川電機と日本IBMは、YASKAWA CockpitとCFC analysis platformの連携に関するソリューション開発を行い、CFC analysis platformはYASKAWA Cockpitから機器データ/設備属性データ/解析結果データを収集・蓄積し、CFC analysis platform上の分析モデルをYASKAWA Cockpitに配信し、YASKAWA Cockpit上でロボット減速機故障予知モデルの稼働させることを可能としている。

これにより、生産現場が求めるスピード/精度での分析/解析機能を兼ね備えた高度の生産現場運用を実現できるという。両社が開発したソリューションは、PoCによる実証実験の段階から、すでに実際のユーザーの生産現場において実運用で利用されており、生産性向上の実現に向けて新たな機能拡張に取り組んでいる。

日本IBMは、安川電機のロボット技術とモーションコントロール技術とのテクノロジー連携を促進させ、工場の自動化による抜本的生産性の向上を推進するとともに、金融やバイオテクノロジーの分野をはじめ、さまざまなインダストリーにおけるプロセス変革にも取り組む考えだ。