ベルギーimecは、Interntional Microwave Symposium(IMS:国際マイクロ波シンポジウム)において28nm CMOSプロセスを用いた精密アンテナ一体形成CMOS 140GHzレーダーモジュールを開発したことを発表した。
同成果についてimecでは、自動車の運転手の遠隔ヘルスモニタリング、患者の呼吸や心拍数のモニタリング、人間-機械間のジェスチャー認識、建物のセキュリティなど数々の用途に向けたスマートなレーダーセンサー開発における重要な一歩としている。
レーダーは、非接触で目立たずに活用できるセンサとして有望視されている。今回の研究も、レーダーの広範囲な活用を目指し、高解像度かつ小型、低消費電力、低コストで利用可能な高性能品の実現を目指して行なわれたもの。
具体的には、imecが特許を有する2本のアンテナSISO(シングルインプット・シングルアウトプット)レーダートランシーバチップ、ならびに周波数変調連続波位相同期回路(FMCW PLL)や既製品のA/Dコンバータ、FPGA、MATLABのツールチェーンで構成されており、3dB近い利得のオンチップアンテナを特徴としている。
加えて、トランスミッタとレシーバの総電力消費量は500mW以下であり、デューティサイクルによってはそれ以下にも抑えられるという。また、FMCW PLLは140GHz周辺で10GHz以上のバンド幅にわたりスロープのリニアリティエラーが0.5%以下かつ電力消費が50mW以下の条件で、最速500MHz/msのスロープを実現したとしている。