横河電機は、プロセス産業向けにプラントの運転レベルといった現場から経営レベルまで、組織を横断的に捉えた管理目標の連携を促進する「OpreX Profit-driven Operation」の提供を6月7日より開始した。

ソリューションは、横河電機が長年培ってきた深い業界知識を活用した独自の指標化メソッドを中核としており、重要管理目標の最適化を支援することによって収益性向上に寄与するもの。プラント運転部門向けに開発されたパフォーマンスダッシュボードや関連サービスも本ソリューションの一環として併せて提供を開始する。

プロセス産業に対するコンサルティングとシミュレーション技術を専門とする子会社KBCアドバンストテクノロジーズ（KBC Advanced Technologies Limited 本社：英国）が提供するプログラムも本ソリューションに含まれる。まずは石油精製および石油化学プラント向けに提供を開始し、今後は液化天然ガスおよび基礎化学プラントにも展開していく予定だという。

  • 運転やエンジニアリング、経営指標(SPI/Strategic Performance Index)がプラント重要管理目標と関連付けされる指標化メソッドの概念図(以下同社資料より)

    運転やエンジニアリング、経営指標(SPI/Strategic Performance Index)がプラント重要管理目標と関連付けされる指標化メソッドの概念図(以下同社資料より)

  • 運転部門向けのパフォーマンスダッシュボード。プラントの運転員が自身の操作が重要管理目標にどのような影響を与えているかがリアルタイムで可視化される。運転中にレンジから外れると専門的なアドバイスが表示されるなど経験の浅い運転員でも対応力が向上する

    運転部門向けのパフォーマンスダッシュボード。プラントの運転員が自身の操作が重要管理目標にどのような影響を与えているかがリアルタイムで可視化される。運転中にレンジから外れると専門的なアドバイスが表示されるなど経験の浅い運転員でも対応力が向上する

取締役専務執行役員プレミアムソリューション＆サービス事業本部長である黒須聡氏は、「プロセス産業の経営層の方々は、膨大なIT投資をしているにもかかわらず、経営レベルでは依然としてプラントで何が起こっているか十分に可視化ができていない。また、経営層が日頃管理している経営目標が、プラントの運転レベルまで適切に伝わっていないという課題を抱えている現状に対し、その可視化と組織横断の連携に必要な包括的なパフォーマンス指標を抽出するメソッドを確立した」と開発背景について述べている。

この「OpreX Profit-driven Operation」ソリューションは先日発表された制御事業包括ブランド「OpreX」において、はじめてのソリューションとなる。それに加え、「OpreX Profit-driven Operation」は横河電機の制御事業におけるビジネスコンセプト「Synaptic Business Automation」のフラッグシップ製品として位置付けられ、顧客が抱える課題解決をサポートしつつ持続可能な価値を創出していくことになる。