ヤフーと三井物産は6月4日、需要と供給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシング事業を行う新会社としてダイナミックプラスを設立したと発表した。なお、新会社には、ぴあも出資参画し、業務提携契約を締結した。

近年のIoT、デジタルトランスフォーメーションの機運の高まりにより、欧米では機械学習などAI技術を使い、リアルタイムに価格を変動させるダイナミックプライシングがさまざまな業界で導入されているという。

ダイナミックプライシングでは、商品、市況、天候、個人の嗜好などに関するビッグデータをクラウド上のプラットフォームで迅速に分析するとともに、需要の予測を基に価格の上げ下げを自動的に行うことで顧客のニーズに対応し、収益向上に役立てることを可能としている。

三井物産は、2017年からエンターテインメントのチケット分野でヤフーとは福岡ソフトバンクホークスと、ぴあとは東京ヤクルトスワローズとそれぞれ連携し、需要状況に即した観戦チケットの価格変動の実証実験を実施しており、事業化に向けた準備を進めてきた。

これらの実績をベースに新会社を設立し、同社を通じてエンターテインメント分野でのダイナミックプライシング事業を共同運営し、今後はホテル、駐車場、物流などサービス型ビジネスを提供する業界に向けて事業展開していくという。

新会社の出資構成は三井物産が62.6%、ヤフーが34.0%、ぴあが3.4%、事業はコンサート、スポーツ、テーマパーク、催事といった各種興行チケットへのダイナミックプライシングサービスの提供や、ホテル、配送、駐車場などのサービス産業に対するダイナミックプライシングサービスの提供を想定している。