日立製作所はこのたび、アマダとIoTを活用し工場における生産からサプライヤーも含めたバリューチェーン全体までの最適化に向けた協創を開始したことを発表した。

  • 先進モデル構築に着手するアマダ富士宮工場

    先進モデル構築に着手するアマダ富士宮工場

近年、製造業においては多品種少量生産においても、大量生産並みの高い生産性を実現するマスカスタマイゼーションへの対応が求められているのに加え、労働人口の減少にともない限られた人材を有効活用するニーズが高まっている。

こうした中、アマダでは、同社のIoTソリューション「V-factory」の強化・拡大に取り組んでいる。一方、日立では、OTとITを融合したIoTプラットフォーム「Lumada」の研究開発力を活用し、生産性向上や経営効率化などの課題を解決するデジタルソリューションの実績を積み重ねてきた。

このたび、アマダと日立は、アマダの主力生産拠点である富士宮工場において、モノづくりに精通する両社のノウハウを融合し、IoTを活用した生産からバリューチェーン全体までの最適化に向けた協創を開始した。

具体的には、日立の「Lumada」を活用した高効率生産モデルの導入による工場での生産の最適化から、製造現場のKPIを一元的に見える化する製造ダッシュボードまでの高度な生産システムを、アマダの「V-factory」と連携して構築する。

さらに、国内外のサプライヤーとの生産情報連携などバリューチェーン全体の最適化を目指し、将来的には、富士宮工場のスマートファクトリー化を足掛かりに、アマダの国内外の製造拠点への適用拡大を図っていくという。

日立では、今回の協創を通じて得た成果をIoTプラットフォーム「Lumada」の産業分野向けソリューションに取り込み、製造業向けに積極的に事業展開を図っていくとしている。