デルとEMCは5月31日、4月30日~5月2日に米国ラスベガスで開催された「Dell Technologies World 2018」において発表された新ストレージ「PowerMax」および「XtremIO X2」の国内提供開始をアナウンスした。
「PowerMax」は、次世代のTier 0ストレージと位置づけられた製品で、ミッションクリティカル、リアルタイムアプリケーション向けストレージ。NVMeへの対応およびリアルタイム マシンラーニング(機械学習)の搭載が大きな特徴となっている。
「PowerMax 2000」と「PowerMax 8000」の2つがラインナップされ、「PowerMax 2000」は170万IOPSで容量は最大1PB、「PowerMax 8000」は最大1000万IOPSで容量は最大4PBとなっている。価格(税別)は38,000,000円~。
来年初めには、NVMe over FabricsおよびSCM(ストレージ クラス メモリ)にも対応する予定だ。
EMCジャパン システムズ エンジニアリング統括本部 製造SE部 部長 島野知治氏は、「次世代のメディアパワーを最大限に引き出すためにNVMeを採用した。NVMe over FabricsやSCMに対応することで、システム全体のスループットをあげることができる」と説明。
また、リアルタイムのマシンラーニングエンジンをOS内に実装し、リアルタイムに4000万のデータを分析することで、予測分析やパターン認識ができ、データの最適配置を実現する。
「I/Oの90%は10%のデータが発生させている。SCMはまだままだ高価なため、(10%のデータをSCMに効率よく格納するために)機械学習が重要になる」と島野氏は、マシンラーニングエンジンを搭載した理由を説明した。
また、来日中のDell EMC モダン インフラストラクチャ部門 CTO トッド トールス氏は、「オールフラッシュの登場により、ボトルネックがディスクからCPUに変わった。そして、PowerMaxで、もう1つのレイテンシーであるコントローラを取り除いた。2019年以降はSCMの時代になり、大幅にレイテンシーが削減される。そして、NVMe over Fabricsによって、END to EndでのNVMeが実現する」と語った。
また、同氏は「PowerMaxは、NVMeだけでなく、データサービスの効率性も良くしている」と語り、インライン重複排除機能と圧縮機能(最大5:1)が強化された点や、サービスェレベル型QoSが搭載され、アプリごとに優先順位付けが可能になった点を紹介した。
「XtremIO X2」
一方の「XtremIO X2」はオールフラッシュXtremIOのエントリモデルで、容量は最大138TB。価格(税別)は33,840,000円~。
「XtremIO X2」では、XIOS 6.1で導入された新たなレプリケーションにより、リモートに存在しないデータは一度だけ送信され、存在するブロックは決して転送されない。これによりストレージ容量を最大38%削減するという。