新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月30日、安全な目視外および第三者上空での飛行に向けたドローンなどの無人航空機の安全評価基準の研究開発に着手すると発表した。これにより、無人航空機の安全な目視外及び第三者上空飛行の実現を目指す。
国土交通省と経済産業省では2017年9月に「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」を設置し、今年3月には「無人航空機(ドローン)の目視外飛行に関する要件」を取りまとめるなど、無人航空機の目視外および第三者上空飛行の実現に向けた検討が進んでいる。
NEDOは、2017年度から「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」において、物流や災害対応などの分野での活躍が期待される無人航空機の目視外飛行の本格化を目指した研究開発を実施。
具体的には、同一空域内における複数の有人航空機や無人航空機の同時運航を可能とするために、地図情報や気象情報などを参照して作成する飛行計画について、安全性や省エネルギー効率の観点も考慮した無人航空機の運航を管理する運航管理システムに関する研究開発と、無人航空機が地形や建造物、空中を飛行する他航空機などを検知し、衝突を回避する技術に関する研究開発を実施している。
今回のプロジェクトにおいてNEDOは、目視外および第三者上空での飛行に向けたドローンなどの無人航空機の安全評価基準の研究開発を手がけ、機体技術基準(信頼性および安全性、危害抑制、騒音対策など)や危害抑制機能の自動作動などの制御技術基準などを開発し、これらの基準に基づき、福島ロボットテストフィールドや福島浜通りロボット実証区域において、複数事業者の機体を使用した飛行試験を実施する。
加えて、複数の無人航空機から同時に発生する総音圧レベルや異常発生時を想定した際の落下時などの衝撃量の定量化、データ取得を実施することで、騒音などの環境への配慮に関する研究開発にも取り組む。
進捗及び結果については、国交省および経産省が設置した検討会に報告する。なお、同プロジェクトにおける採択予定先(共同提案)は、産業技術総合研究所(AIST)、東京大学、労働者健康安全機構、自律制御システム研究所、イームズロボティクス、プロドローンの6者となる。