LifeSignalsは、安全を重視する医療・ヘルスケアモニタ分野のモバイル機器およびウェアラブル機器に最適化された半導体チップ「Life Signal Product(LSP)プラットフォーム」を発表した。同製品は、STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)および3M社との協力の下、開発および製品化された。
LSPは、超低消費電力のワイヤレス通信や高精度のセンサ・インタフェースなどを複合的に組み合わせた、ウェアラブル機器向けの製品ファミリ。医療におけるウェアラブル・センサは、ワイヤレスで着け心地が良く、小型かつ低コストで、現在使用されている有線のセンサに匹敵する臨床用の精度に加えて、さまざまな受信機器との有線と同等品質の通信性能が必要とされる。最終的には、ひとつのウェアラブル機器で複数の生体信号プロファイルの検出が望まれるが、ワイヤレス・センサ技術は高コストで消費電力も大きく、安全が重視される用途において必要な信頼性も有していなかったため、今まではこのビジョンの実現に至っていなかったという。
LSPファミリの使い捨て型臨床用バイオセンサ・パッチ向けシングルチップ・ソリューション「LC1100 Life Signalプロセッサ」は、同製品ファミリのコア・チップで、臨床用の精度で複数の生体信号を常時検出することができる。低コスト・低消費電力のワイヤレス・バイオセンサ・パッチや、スマート・アパレルといったウェアラブル機器を実現するという。検出されたデータは、モニタ機器やスマートフォンなどに送信することが可能で、コイン型電池で数日間連続動作することができる。
また、受信機器用コンパニオン・チップ「LC5500 UWB無線チップ」は、携帯型機器と固定の受信機器で使用するオプション・チップ。LSPチップセットのハイブリッド無線(Wi-Fi、UWB、および医療用帯域の規格)は、複数の対象者がLSP搭載のバイオセンサを装着してモニタされている状況でも、同時に複数の無線チャネルにおいて有線と同等の品質で通信できるように開発されたという。
さらに、LSPファミリには、開発ボードやソフトウェア開発キット(SDK)などを含む包括的なハードウェア/ソフトウェア開発ツールが準備されており、機器メーカーはLSP搭載機器をカスタマイズしながら設計することができる。量産化が可能なリファレンス設計も利用可能で、パッチ、スマート・アパレル、受信機器などの多様な製品を開発できるという。そのほか、iOSおよびAndroid機器向けにさまざまなアプリも用意されているということだ。
なお、LSP製品ファミリは、主要戦略パートナーである3M社およびSTと協力して開発された。3M社は、LSP技術に必要な情報を提供するとともに、同技術の優位性を検証し、STは、LSP製品の量産化に必要な半導体の開発、製造、品質保証に関してリソースを提供した。