ソニーは28日、0.5型で最高解像度となるUXGA(1600×1200)を実現した有機ELマイクロディスプレイ「ECX339A」を商品化することを発表した。量産出荷予定は2018年11月、サンプル価格は5万円(税抜)。
マイクロディスプレイの高解像度化には、画素ピッチの縮小に伴う画質の低下や視野角特性の悪化などの課題があった。この「ECX339A」では、トランジスタの小型化で起こる特性のばらつきや耐圧の低下などを、トランジスタのレイアウトやプロセスの最適化により改善している。
また、カラーフィルターをシリコン基板上に直接形成し発光層との距離を縮めるとともに、カラーフィルターの色の配置を工夫することで、視野角特性を確保し高解像度化を実現している。
ソニー独自の有機ELディスプレイ技術と微細化プロセス技術により、世界最小の6.3μm画素ピッチを達成し、従来品(同社の有機ELマイクロディスプレイ「ECX337A」)と比べて約1.6倍の高解像度化を実現した。さらに、従来品の2分の1の電圧で動作する新規設計の駆動回路により、高解像度でありながら従来品と同等の低消費電力を実現している。また、独自の駆動方式を組み合わせることで、従来比2倍の240fpsまでのフレームレートに対応している。
有機ELマイクロディスプレイは、デジタルカメラの電子ビューファインダー(EVF)に広く採用されている。今回、高解像度や高フレームレートを実現したことで、よりリアルな映像表示と確実な被写体の捕捉が可能となり、画質への要求がきわめて高いハイエンドカメラへの搭載が可能となる。今後は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)向けのヘッドマウントディスプレイ機器などでの利用が見込まれる。
ECX339Aの主な仕様は、画角 :0.5型(対角12.6mm)、解像度:UXGA(1600×RGB×1200)、画素ピッチ:6.3μm、最大フレームレート数:120fps(プログレッシブ)/240fps(デュアルラインプログレッシブ)、消費電力:(200cd/m2)310mW@60fps(プログレッシブ)/120fps(デュアルラインプログレッシブ)、最大輝度:1,000cd/m2となっている。