エイブリックは、外付けFET(電界効果トランジスタ)を直接制御して、過充電・過放電保護を行う3~5セルバッテリー保護IC「S-8245A/B/C/Dシリーズ」の販売を開始した。同製品は、高機能化を図りながらも低消費電流20μAmaxを実現しているという。
「S-8245A/B/C/Dシリーズ」は、3~5セル直列のリチウムイオンバッテリーの保護IC。リチウムイオンバッテリーは、様々なアプリケーションに用いられているが、安全に使用するためには、保護ICによる充電・放電の正確な管理が欠かせない。
同製品は、一般的な過充電・過放電・過電流保護機能に加えて温度保護機能を備えており、TH端子にひとつのNTCを接続することで、充電時・放電時にそれぞれ2温度(高温・低温)を監視することができる。温度検出回路は間欠動作しており、10kΩのNTCを使用しても、低消費電流な温度監視機能を実現できる。
また、PSI端子に外部から信号を入力することでパワーセービング機能が働き、低消費電流モード(0.1μAmax)に切り替わるようになっているため、バッテリーパックの出荷前に低消費電流モードに切り替えておくことで、暗電流によるパック容量の消耗を避けることができる。カスケード接続を介してすべてのS-8245A/Cシリーズを低消費電流モードに切り替えることも可能だという。
さらに、過充電検出電圧精度が±20mVで、過充電検出電圧を高精度化することにより、リチウムイオン電池パックの安全性向上に貢献する。なお、同製品は、温度保護機能やパワーセービング機能など、高機能化を図りながらもトップクラスの低消費電流20μAmaxを実現している。切り替え端子を使うことで3・4・5セル直列のバッテリー保護が可能な上、カスケード機能(S-8245A/Cシリーズ)により6セル以上の保護回路を構成することもでるので、幅広いアプリケーションに使用することができるということだ。