未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」などを提供しているネットプロテクションズは5月24日、実店舗向けに、QRコード決済機能を追加したカードレス決済サービス「atone(アトネ)」を、2018年8月を目処に提供開始することを発表した。
「atone」は、クレジットカードを保有していない消費者でも、会員登録をするだけで後払いで買い物ができるという決済システム。同社が事業者に立て替え代金を支払うため、未回収のリスクはゼロですぐに代金を回収できる。今回QRコードによる決済機能が追加されることで、これまでECを中心に導入されていた「atone」が、実店舗でも利用可能になるという。2018年8月から実証実験が開始され、2019年1月以降に本格展開していく予定だ。
ネットプロテクションズ 企画室 atone ユニットマネージャーの杉山崇氏は「国内QRコード決済は増加しているが、モバイル決済の利用率は6%と低く、まだまだ普及しているとはいえない。現金主義が根強く残っている日本では、クレジットカードへの抵抗感が強いように感じる。QRコードによる後払い決済は現金派のユーザーに対して強いニーズがあるだろう。キャッシュレス推進に貢献していきたい」と述べた。
QRコード決済機能では、店舗のタブレットに表示されたQRコードを「atone」のスマホアプリで読み取り、「決済する」ボタンを押すことで買い物が完了する。支払いは、翌月以降に届く請求書をもとにコンビニで支払うか、口座振替から選択することができる。
店舗のコストは、初期導入費用や月額運用費用が無料で、決済手数料1.9%のみ(テスト価格)。
ネットプロテクションズ CEOの柴田紳氏は「ECにはじまり、リアル店舗でも使えるようにしていくことで、クレジットカードでは対応できていないユーザー層にアプローチし、新たな社会インフラにしていきたい」とatoneが目指す決済のあり方を述べた。
なお、実証実験に協力してくれる事業者も募集しており、5社限定で、期間中に「atone QRコード決済」を新規契約した企業には、「決済手数料3カ月間ゼロ(取引金額100万円/月まで)」「タブレットレジ無料配布(iPad Wi-Fiモデル)」の得点が受け取れる。