凸版印刷とベルシステム24ホールディングスは5月24日、口コミからチャット、購買行動まで顧客の声を統合解析することで顧客体験の設計・提供を可能にする、デジタルカスタマーサービスの共同開発に着手し、10月から提供を開始すると発表した。
両社は、今回の共同開発に向けて専門部門による横断的なプロジェクトチームを6月から新たに編成する。サービスは、口コミ、コールセンター、チャット接客、店頭購入など、顧客との対話や行動をデータ化し、統合・解析することで、顧客ごとに適した顧客体験の設計・提供を可能にする。
両社が持つ「ソーシャル解析」「VOC(Voice of Customer)解析」「WEBチャット接客」「WEBキャンペーンASP」などのソリューションを組み合わせ、顧客のWEB行動や購買行動と、デジタル/リアルでの対話情報を解析データに変換。これをAIによる解析と専門家によるデータ分析を活用し、顧客を理解することで個々のニーズにあった顧客体験を設計・提供することができるようになるという。
顧客が求めるタイミングに合わせて、最適なチャネル(コール、チャット、メール、DMなど)で、パーソナライズされたメッセージを送ることで、最適な顧客体験を実現するとしている。顧客ごとの体験価値を高めることで、商品やサービスの利用が長期化するコアなファンを育成できるとともに、好意形成を促す口コミを拡散することを可能としている。
また、顧客接点データ(口コミや問い合せ、接客情報など)を両社で連携し一元管理、デジタル接点だけではなく、店頭購買など、リアルでの顧客接点もデータ転換・蓄積し、これまで負荷の高かったデータ統合、解析をワンストップで提供する。さらに、顧客データをAIとデータアナリストによる統合解析を行い、エンゲージメントを可視化し、従来よりも高精度かつ効果的なCRMプログラムの設計が可能だという。
加えて、データ統合/解析サービスのほか、アウトバウンドやDM、マーケティングオートメーション(MA)運用など、顧客エンゲージメントを高めるコミュニケーション施策まで、ワンストップアウトソーシング体制を構築し、PDCAを高速で回し、効率的な顧客ごとのコミュニケーション施策を実現するとしている。
両社の役割として、凸版印刷はデジタルマーケティング部門を中心に各種WEBサービス(SNS、オウンドメディア、EC、WEBキャンペーンなど)と店頭やDMなどリアル接点チャネルの運用、その行動データの収集管理をするシステム基盤を提供する。
一方、ベルシステム24はコンタクトセンター運用(インバウンド/アウトバウンド)、チャット接客運用、VOC解析など、ユーザーとのダイレクトコミュニケーションの運用と、そのVOCデータの収集管理をするシステム基盤を提供する。 両社では、メーカーや流通などを中心に幅広い業界に向け、新サービスを提供し、2020年に関連受注を含め約20億円の売り上げを目指す。