半導体市場動向調査企業である米IC Insightsは、2018年3月の市場予測として、2018年の半導体企業の設備投資額を前年比8%増と予測していたが、ここに来てメモリメーカーが投資額を増しているほか、中国勢も設備投資を活発化させていることから、新たに同14%増へと上方修正したことを明らかにした。もし、この予測どおりになれば、2018年の半導体企業の設備投資額は1000億ドルの大台に初めて達することとなる。
業界トップのSamsung Electronicsは、2018年の設備投資計画額を明らかにしていないが、2017年の242億ドルよりは少ないだろうとの見解を示していた。しかし、同社の2018年第1四半期の半導体設備投資額は67億2000万ドルで、これまでの3四半期の投資額平均と比べるとやや高い値となっており、これを踏まえると、2017年第2四半期~2018年第1四半期の1年間に266億ドルも投資をしたことになる。
IC Insightsでは、Samsungの2018年の半導体設備投資額は200億ドル前後と見ているが、第1四半期の積極的な投資を踏まえると、通年の投資額は予測を上回る可能性もあるという。
また、メモリが好調なSK Hynixも、2018年は前年比42%増の115億ドルの設備投資を計画している。同社は、韓国チョンジュの3D NAND工場(M15)の建設と中国無錫の巨大なDRAM工場の拡張に重点投資するとしており、中でもM15は2018年末までに開所することを目指し、急ピッチで工事が進めているという。一方の無錫の工場も2019年に開所する予定であったものを、前倒しし、年内の開所を目標に変更したようだ。このほか、中国勢も爆投資と言える勢いで設備投資を進めており、半導体設備投資市場は、2017年の前年比34%増に続き、2桁成長が続く可能性が見えてきたという。