島津製作所は5月21日、稼働しているエンジンのシリンダ内温度や二酸化炭素(CO2)濃度、水分濃度を同時に自動計測する、エンジン筒内高速モニタ「DIOMELAS」を発売すると発表した。価格は4,500万円(税別)で、発売から3年間で国内において15台の販売を目標としている。

  • エンジン筒内高速モニタ「DIOMELAS」

    エンジン筒内高速モニタ「DIOMELAS」

エンジンの性能はシリンダ内での燃焼効率や燃焼状態に左右されるため、燃焼発生までの温度や、排ガスとしてシリンダ内に残留するCO2の濃度を直接モニタリングする必要があった。このようなニーズに対応するため、同社は、2017年に開発した、レーザ光学技術によって稼働するエンジンのシリンダ内の温度とCO2濃度、水分濃度を高速に計測する独自技術を改良、応用することで、今回新たにメーカーが導入しやすい製品へと発展させた。

具体的には、小型プローブ(探針)先端の検出部をエンジンのシリンダに10mm挿入し、検出部に照射したレーザ光の吸光度を測定することで、シリンダ内部の温度とCO2濃度、水分濃度を同時に算出できるという。

  • 小型プローブ(探針)先端

    小型プローブ(探針)先端

また、エンジンの試験に用いられるエンジンベンチシステムとの連動に対応し、エンジンベンチシステムからの制御信号により、人手を煩わせることなく自動的にデータを取得し続けることが可能となる。

さらに、新たに高速な演算を可能にするアルゴリズムを導入したことで、データ処理にかかる時間を抑えることが可能になり、吸光度の取得とデータの処理を並行して行うことができるため、高速かつ大容量のデータを処理しつつ、計測の間の待機時間を最小限に留めることにつながるとのことだ。