キヤノンITソリューションズは5月24日、顧客の声をビジネスに生かすテキストマイニング技術を核としたVOC(Voice Of Customer)分析ツールを開発したと発表した。
VOCとは、問い合わせ、要望、クレームといった企業に寄せられる顧客の声のこと。VOC分析ツールは、ウェブアプリとしてブラウザ上で複数人同時にVOCデータの分析を行うことができるというソリューションだ。テキストデータに限らず、数値データ・時刻データ・カテゴリデータなどを組み合わせて様々な角度から分析することができる。また、SNSに投稿されたエンドユーザーの声も読み込み可能だ。
抽出結果はグラフなどで表示されるため、専門的な知識がない担当者でも、VOCを業務に役立てることが可能。問い合わせやクレームの内容を効果的に分析することで、対応品質の低下を防ぐことができ、また、マーケターはエンドユーザーの声を参考にすることで、新製品開発のための市場ニーズを把握することができるだろう。
具体的に、同ツールの分析機能では、クリックやドラッグ&ドロップといった簡単な操作で、テキスト抽出の条件絞り込みが可能。たとえば、自社製品の操作性について寄せられた意見を探したい場合、該当するカテゴリー条件「操作性」をクリックするだけで、操作性について述べられたコメントだけを検索することができる。また、AND・OR・否定など多様な絞り込み条件の指定も、ほぼクリック操作だけで設定可能だ。そのほか、コメントが届いた期間や、投稿者の年代といった条件での絞り込みもできる。
分析機能には「ポジティブな発言」と「ネガティブな発言」を自動的に表示することも可能だ。この機能を使えば、自社製品に対するユーザーの評価をスピーディに把握できそうだ。
また、頻出するワードは、単語間の係り受け関係をネットワーク図で提示することで、分析者が話題の全体傾向を俯瞰できるようになっている。
同ツールは、すでに同社グループにおいて、自社の手帳サービス「ネットde手帳工房」のデジタルマーケティング業務と、Webアプリケーション自動生成ツール「Web Performer」のサポート業務において、運用が開始されている。
「ネットde手帳工房」のデジタルマーケティング業務では、SNS上のユーザーに直接アプローチすることを支援する機能を開発し、業務を効率化に役立てており、「Web Performer」のサポート業務では、応対ログを保管するデータベースから直接データを取り込む機能や、月次レポートの作成を支援する機能を追加し、問い合わせ対応の業務を行っているという。