2018年春、5月9日から11日の3日間東京ビッグサイトで開催された「2018 Japan IT Week 春」。IoTやAI、データセンターやセキュリティまでと、ITに関する様々な製品・サービス・ソリューションが一堂に会したこのイベント。既にピックアップしてお伝えしたものの他にも、様々な趣向が凝らされた提案がそこかしこで見受けられた。本稿でピックアップするのは、「第8回 モバイル活用展」会場に出展されていた新機軸のコラボレーションツール「DERAWORX」だ。ツール開発の経緯が“エッジが効いている”と筆者を感じさせてくれるとともに、利用する者にとって痒いところに手が届かない既存のツールで感じる不満を“だったら、痒いトコロは掻けるようにすればいいじゃない!”というスタンスで、サービスを常に良い状態にしていこうという姿勢が光っていた。

  • 「2018 Japan IT Week春」、eSOLIXブースより

    「2018 Japan IT Week春」、eSOLIXブースより

この「DERAWORX」を開発したeSOLIXという会社は、ITに深く精通した4人の起業家により設立され、コンサルティングはもちろんソフトウェア開発などを生業としてきた企業。実際に業務に当たるメンバーらは異なる国や地域に住んでおり、コラボレーションツールやチャットを駆使してコミュニケーションを図っていたそう。しかし、既存のツールでは満足のいくコミュニケーションが図れず不満が蓄積したという。そこで、「自分たちのニーズに合った使いやすいツールがないのならば、作ってしまおう!」と生み出されたのが「DERAWORX」というわけだ。

  • 「DERAWORX」の生みの親のひとりでもあるeSOLIX社COO/CTOのEWDISON THEN氏は、シリコンバレーでも活躍していた御仁。自分たちに最適なツールがないのであれば作ってしまおう! という考え方やアジャイルなものづくりで業務のさらなる効率化を図る

    「DERAWORX」の生みの親のひとりでもあるeSOLIX社COO/CTOのEWDISON THEN氏は、シリコンバレーでも活躍していた御仁。自分たちに最適なツールがないのであれば作ってしまおう! という考え方やアジャイルなものづくりで業務のさらなる効率化を図る。

「DERAWORX」のオフィシャル<a href="https://www.deraworx.com/" target="_blank">Webサイト</a>より

「DERAWORX」のオフィシャルWebサイトより

シンプルで直感的に利用することができる「DERAWORX」の主な機能としては、タスク管理、コミュニケーション、情報共有の3種類。まず利用者はワークスペースを作成することになる。このワークスペースとは、言うなれば利用者が参画するプロジェクトであったり業務などを設定した“器(うつわ)”のようなもので、そこにタスクを新たに登録することやそのタスクに関わる作業者のアサインを行うことが可能となっている。また、進捗管理を視覚化することができるガントチャートはもちろん、カレンダーには登録したタスクが自動的に反映され、自身のスケジュールの把握も容易になる。

  • こちらは「DERAWORX」の基本画面となるダッシュボード。画面左のメニューより直感的にプロジェクトの管理やコミュニケーションが図れるツールとなっている

    こちらは「DERAWORX」の基本画面となるダッシュボード。画面左のメニューより直感的にプロジェクトの管理やコミュニケーションが図れるツールとなっている

  • こちらはガントチャートを表示したところ。ワークスペース内に登録されたタスクがひと目で把握できる

    こちらはガントチャートを表示したところ。ワークスペース内に登録されたタスクがひと目で把握できる

コミュニケーションの面では、メンバーらが自由闊達に意見を交換し合える場としてのディスカッション機能、タスクごとでの質疑応答等が可能になるコメント機能はもちろん、個別に連絡・相談したい際のためにプライベートメッセージ機能も有している。

また、ファイル共有機能や他者と共同でのドキュメント制作が行えるノートいった機能など、情報共有の面での機能にも抜かりはない。ユニークな機能として、勤務開始時間と終了時間をワンクリックで記録することが可能なデイリーレポートが用意されている。これは、世界各国のエンジニアらと同じ目的に向かって業務を推進してきたeSOLIXならではの勤怠管理手法のひとつと言えそうだ。

  • こちらは情報共有や文書管理が行えるノート機能のひとコマ。ドキュメントを共同で管理する場合、問題となる改変履歴をも管理することが可能となっており、誰が・いつ・どの部分を・書き足した/削除したのかを把握することができるパワフルさを兼ね備えている

    こちらは情報共有や文書管理が行えるノート機能のひとコマ。ドキュメントを共同で管理する場合、問題となる改変履歴をも管理することが可能となっており、誰が・いつ・どの部分を・書き足した/削除したのかを把握することができるパワフルさを兼ね備えている

解説員の言葉によれば「この「DERAWORX」はアジャイルで開発しています。実際、その現場で世界各国のエンジニアとのコミュニケーションに利用しています。使いにくいな、こんな機能があったら便利なのに、といったことをつぶさにピックアップして使い勝手の改善に努めています」とのこと。今後より良いツールへと進化させるべく、ユーザーからの声を重視し機能拡充を行っていくという「DERAWORX」、どんな使い心地なのか試して見たいという方は、オフィシャルWebサイトよりユーザー登録を行い実際に触れてみてはいかがだろうか。