米航空宇宙局(NASA)が太陽系の外にある地球型惑星を探すために4月に打ち上げた新しい宇宙望遠鏡「TESS」が約20万個の星をとらえた画像を地上に送ってきた。NASAが19日発表した。

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    画像1 TESSがとらえた初画像。下部中央のやや左側にケンタウルス座のベータ星が輝いている(Credits: NASA/MIT/TESS)

公開された画像はTESSがとらえた初画像。ケンタウルス座を中心に20万個以上の星をとらえている。画像の下部中央やや左側にはケンタウルス座のベータ星がひときわ明るく輝いているのが分かる。

TESSは生命存在の可能性がある「第2の地球」を探すために4月18日に米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。5月17日には月の重力を使って軌道を変える「フライバイ」を成功させた。4台の高性能カメラを搭載し、ケプラー宇宙望遠鏡などによるこれまでの観測領域の400倍以上となる天空のほぼ全域を観測できる。観測領域が最大になる軌道に入るための最終軌道修正を5月30日に行い、6月中旬には本格的な観測を始める。

太陽系外惑星は、太陽系惑星と同じように自らは光を出さない。このため恒星の手前を惑星が横切る時に生じるわずかな影を手掛かりに観測しなければならない。TESSはこのようなかすかな現象をしっかりとらえて数千の新たな太陽系外惑星を見つける、と期待されている。

NASAは数々の観測実績を誇るハッブル宇宙望遠鏡の後継機として2020年にジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を打ち上げる計画を進めている。同宇宙望遠鏡はTESSが発見した地球型惑星を集中的に詳しく観測して生命体が生息できる環境があるかなどを調べるという。

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    画像2 観測中のTESSの想像図(Credits: MIT)

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