空きスペースを貸し会議室やレンタルスペースとして提供するマッチングサイトを運営するスペイシー(Spacee)は、ヤマハやマイクロソフトの協力を得て、オフィスビルや駅構内の空きスペースを活用するテレワークのシェアリングサービス「日本版モダンワークプレイス」の実証実験を開始した。
同社は最大300人程度までの貸し会議室約4,000室を紹介しており、月間14,000~16,000の取引があるという。
「日本版モダンワークプレイス」は、ヤマハが販売している定型タイプの防音室に、ヤマハの会議用マイクスピーカー設置して、Skypeを使ったビデオ会議ができるテレワークスペースとして販売。それをレンタルワークプレイスとして、スペイシーのサイトで紹介していくもの。実際、モダンワークプレイスをどこが販売していくかは、今後検討するという。
ヤマハが提供する防音室は、現場での組み立て作業(3-4時間)と、既存施設に簡単に設置できる。不燃材を使用したものは1.5畳~3畳タイプ、通常仕様であれば、4.3畳まで選択できる。基本的に一人あるいは少人数向けの利用を想定しており、販売価格(基本価格)は、不燃仕様の1.5畳タイプが150万円程度(税別、組立工事費、運送費等別途)だ。
もともと、楽器練習用の防音室として設計されており、35dBあるいは40dBの音を下げる効果があるため、外部に音を漏らすことなく、テレビ会議や電話ができる。
スペイシー 執行役員 武田正史氏は、「これまで重要度の低い会議や打ち合わせは、カフェやファミレスなどを利用するケースが多かったが、席が空いていなかったり、スマホの充電も行えない。また、周りに対する配慮から、電話をすることもできなかった。モダンワークプレイスで、きちんとしたワークスペースを提供し、新しい働き方を提案していく」と語った。
モダンワークプレイスは、Skypeを使ったビデオ会議や電話ができるサテライトオフィスとしての利用を想定し、利用料金は1時間500-1000円程度で提供することを計画している。スペイシーは、手数料として、実際に発生した利用料金の20%を受け取る。
設置スペースとしては、駅構内やオフィス内のほか、すでにシェアオフィスとして提供しているスペースに付加価値の高い商品として提供することも考えているという。
同社は、すでに5月1日から、新橋、京都、大阪に設置して運用を開始。この運用は、実証実験と位置づけており、その結果を踏まえて、今後のサービス内容を決定していくという。
武田氏は、500カ所程度の設置を目指していきたいと目標を語った。