東京ビッグサイトにて5月9日から11日までの3日間、約10万人もの来場者が足を運んだ「2018 Japan IT Week春」。本稿では、「第15回 情報セキュリティ EXPO」会場より、最先端の生体認証技術を活用したセキュリティソリューションを展示して注目されていたロココブースの様子をお届けしよう。
ロココブースで展示されていたのは、セキュリティのみならずテック系ベンチャー業界のなかでもホットなエリアのひとつとして注目を集めているイスラエルに籍を置く企業、マルチセンス社のハイブリッド生体認証セキュリティシステムをベースに開発された本人確認・認証ソリューションだ。認証を必要とする様々なシーンで利活用が可能とのことで、例えば、遊園地やイベント会場等での入場、オフィスや病院といった施設内のセキュリティエリアへの立ち入りといったシーンなどで力を発揮するという。
高い認証精度を実現する仕組みについて、昨今チケットの転売等でたびたび耳にするコンサートイベントを例に解説していこう。まず、本ソリューションと連携したスマートフォンアプリ上でチケットの購入者は顔や音声、指紋等の生体情報を氏名等の基礎情報とともに登録を行う。そして公演当日、会場内へ入場する際にアプリの指示に従って顔・音声・指紋等の生体情報を用いた本人確認を行いQRコードを発行、それを入場ゲートに設置された読み取り端末で認証させることで晴れて入場できる、というのがざっくりとした流れだ。物理的なチケットを必要とせず、入場時にはQRコードをかざすだけでOKなため、ユーザー側にとってもイベント運営側にとってもストレスや負担が少なく入場者を管理することができる。しかも、なりすましや転売等の行為を未然に防ぐことができるのは非常に大きなメリットとなるのではないだろうか。
このソリューション、既に「AUTH TICKET(オースチケット)( https://sse-net.co.jp/service/authticket/ )」という名称でグループ会社よりサービス化されており、エンターテインメント市場でのチケッティングサービスとして実績を上げているという。チケット申込みWebサイトやファンクラブWebサイトとのAPI・ファイル連携や、「大人1枚、子供2枚」などといった同行者への配慮も簡単に行うことができる上に、抽選や席割りといったオプションパッケージとの組み合わせることで、ユーザーのニーズに合わせた運用にも対応可能とのこと。
入退場時の本人確認・許可を必要とするあらゆるシーンでの入退場管理が可能な本ソリューション。今後は、「生体認証機能をコアとして、セキュリティドアや宅配ボックス等の設備機器との連携も模索していく」とは解説員の言葉だが、ハンズフリーで高いレベルでの認証セキュリティを実現できるロココのハイブリッド生体認証ソリューション。その応用の幅広さは、様々な場面で感じる本人確認・認証時の手間を大幅に解消してくれるのではと期待してやまないのは、筆者だけではないのでは?