FullDepthは、水中の撮影・探索を手軽に実施できる、同社の開発した水中ドローン「FullDepth DiveUnit300」を用いたロボットサービス提供事業(RaaS)を開始すると発表した。サービス開始日は6月1日、価格はオープンプライス(要見積もり)。
今回リリースされた「FullDepth DiveUnit300」は、大掛かりな設備や人員を必要とせず、低コストで水中探査することが可能な水中ドローン。近年のドローンの隆盛により、空撮や探査が身近になった一方で、水中の撮影・探索は手軽に実施できるとは言い難い状況にあるという。潜水士が業務で潜行できるのは約40mまで、より深く潜る必要があるときには遠隔無人探査機(Remotely Operated Vehicle, ROV)と呼ばれる機材が使われているが、、操作が難しく高価というハードルがあるとのことだ。
「FullDepth DiveUnit300」は、ROV本体と船上のPC、3.7mm幅の接続ケーブル1本で構成されており、ROV本体は水中300mまで潜行が可能となっている。バッテリー搭載時の重量は約25kgと、人力での水中投下が可能なサイズのため、手軽に運用することが可能という。
また、本体正面のカメラにより水中でのFull HD動画を撮影し、動画をインターネットでリアルタイム配信できるので、水中インフラの点検などでは離れた場所にいる技術者とコンタクトを取りながら遠隔で確認作業を行える。さらに、機体には水平方向4機、垂直方向3機の推進機とモーションセンサーが装備され、潮流下でも安定して水中撮影することができる。リリース後のソフトウェアアップデートでは、さらなる安定化のため、深度・姿勢を自動で維持できる機能や、画像処理による機体の位置保持機能の実装も予定されている。
そのほか、機体のコントロールには直感的に操作が可能な市販のゲームコントローラーが採用されているため、特別な訓練や資格などが必要なく、数時間のトレーニングで技術を習得できる。なお、同機種の運用に必要な人員は、ROVのパイロットとケーブルの調整などをするサポーターのわずか2名からとなっており、コンパクトで小回りの利く運用が可能ということだ。
昨今、ダムや港湾等の水中インフラ長寿命化を見据えた維持・管理の機運が高まり、手軽に水中を探査する必要性がにわかに生じているという。同サービスは、ますますの需要が見込まれる、水中インフラの維持・管理をはじめ、漁礁の調査や定置網の点検など水産業における活用、海底資源や深海生物の探査など、幅広い用途での利用が期待される。
|FullDepth DiveUnit300を活用した調査記録動画|