STMicroelectronicsは、安全性の高いシステム設計の迅速化・低コスト化を可能とするSTM32マイコン向け機能安全設計パッケージの提供を開始したと発表した。

同パッケージは、産業機器の制御をはじめ、ロボット、センサ、医療、交通機関といった分野で求められる機能安全規格であるIEC 61508の安全度水準レベル(Safety Integrity Level:SIL)SIL2またはSIL3の認証取得を必要とする設計者向けに開発されたもので、システム開発と認証取得の簡略化を可能にするという。

具体的には、STM32ベースのシステムがIEC 61508の安全度水準レベルSIL3に適合する必要なすべての情報を、セーフティ・ドキュメントと、 認証取得済みソフトウェア・セルフテスト・ライブラリ(STL)「X-CUBE-STL」として提供。最初のパッケージとしては、STM32F0シリーズ向けに提供されるが、その他のSTM32マイコンについても、2018年から2019年にかけて順次対応していく予定としている。

なお、すでにセンサ・メーカーであるスイスContrinexが、同パッケージを使用して、 安全性の認証を取得する最初の企業になる予定とSTでは説明しているほか、STM32F0マイコン用の機能安全設計パッケージの入手方法については、 機密保持契約(NDA)を締結した後、同社のWebサイトから無償で入手することが可能になると説明している。