シーメンスは、医療機器業界における新しいデジタル・エンタープライズのための業界ソリューション「Intelligent Design Control」を発表した。

「Intelligent Design Control」は、リスク管理の観点から統合設計プロセスを管理することによって設計プロセスを明確に可視化し、リアルタイムの設計変更や開発変更を可能にしながら、検証と妥当性確認の要件を満たせるよう構築されたソリューション。医療機器の設計に携わるさまざまなステークホルダーに対し、スマートで検索可能なデータ・モデルに設計要素を再編成することで、コピーエラーの防止、データの完全性の確保、トレース・レポートの作成、設計情報の詳細な検索、再利用、分析が可能となる。設計環境の中でリスクを分析して軽減できるため、製品の市場投入期間を短縮することができるという。

また、大きなリスクと複雑なプロセスが伴う医療機器の設計では、プロセス全体を自動化することがミスの削減と法令遵守に欠かせない要素になっているという。同ソリューションでは、起こりうる危険な状況をテストケース要件に結び付けるだけでなく、製品設計プロセス全体にわたってトレーサビリティを確保し、設計から部品の組み立て、製造実行まで全体の自動化機能を組み込んだオープン・プラットフォームが提供される。

これにより、すべての入出力データの検証と妥当性確認が可能となり、法令やリスク管理の要件に応じて即座に変更作業を行うことができるという。さらに、設計要件を可視化してリアルタイムでの調整を可能にし、コスト高につながるミスを防止できる設計テクノロジーも提供され、相互につながれたデジタル・エンタープライズが実現するということだ。

シーメンスPLMソフトウェアのLaurence Sampson医療業界戦略担当シニア・ディレクターは、次のように述べている。「医療機器業界では、リコールの原因が機器の設計にあるケースが増加しており、統合的なリスク管理戦略の必要性が見直されています。Intelligent Design Controlソリューションは、プロセスの各ステップを完全に可視化し、リスクを迅速かつ簡単に軽減します。製品ライフサイクルの早期の段階で品質問題を回避できれば、リコールや有害事象を回避でき、人命を救う医療機器を待ち望む人々のために革新的な製品を世に送り出すことができるようになります。」