テレダイン・レクロイ・ジャパンは5月15日、12ビット高分解能HD4096テクノロジと8GHz帯域を組み合わせ、ローノイズで高い信号忠実度を実現する「WavePro HD高分解能オシロスコープ」を発表した。同製品は最大5Gポイントのロングメモリを搭載し、長時間にわたる波形を精微に捉えることができるという。
今日の電子機器市場を牽引している、小型で高速、かつ低消費電力の携帯機器およびハンドヘルド機器や、高速で高度に集積された組み込みコンピュータ・システム、データセンタ技術はすべて、アナログセンサ入力、低電圧の電源レールを備えた外乱の影響を受けやすい電源供給ネットワーク(PDN)、高速CPUとシリアルデータインタフェースをもつことを特徴としている。
こうした機器の包括的なシステム・デバッグを容易にするためには、高サンプリング速度、高垂直分解能、低ノイズ性、広帯域幅、および長い信号補足時間といった組み合わせを同時に実現するオシロスコープが必要となる。
今回発表されたWavePro HD オシロスコープは、15.6型、1900×1080ピクセルの静電容量式タッチスクリーンと、タブレット端末のようなタッチ操作が可能となる、テレダイン・レクロイの「OneTouch MAUI(ワンタッチマウイ)」インタフェースを搭載しているほか、20GS/sのサンプリングレート、HDO4096テクノロジによる12ビット分解能、低ノイズ性、最大8GHzの帯域幅、最長5Gサンプルを同時に実現するもの。
新チップセットで広帯域化、低ノイズ化を実現
同製品の心臓部には、低ノイズの入力増幅器と12ビットADCを含む新規に開発した8GHzチップセットが用いられている。このチップセットは、刷新された低ノイズ、広帯域なシステム・アーキテクチャと緊密に統合されることにより、8GHz、12ビット・オシロスコープを実現している。
これにより、競合製品は、8ビットの信号パスをそのままにしてADCを10ビット、または12ビットに置き換えたり、ソフトウェア技術を使用して帯域を犠牲にしたりすることでより高い分解能を実現している一方、WavePro HDのHD4096テクノロジにおいては、全帯域で高い分解能、低いノイズレベルを提供するとしているとのこと。
次世代のロングメモリ・アーキテクチャ
WavePro HDの次世代信号補足およびメモリ・マネージメント・アーキテクチャにより、5Gポイントロングメモリを実現しただけではなくロングメモリ補足時でも高速で、操作に素早く反応することができる。それと同時に、WavePro HDに搭載されたOne Touch MAUI ユーザ・インタフェースを使用すると、希望する波形部分を容易に見つけ出し、解析することが可能だ。
最長5Gサンプルでは、20GS/sのサンプリング速度で250msもの長さの信号を補足できるが、分解能はつねに12ビットを実現しているという。
合計8モデルを発表
なお、今回発表されたのは、合計8モデル(4種類の周波数、MS(ミクスドシグナル)無しとMS付き)となっており、価格は最低467万円(税別)からとなっている。