物質・材料研究機構(以下 NIMS)は、 オリックス・レンテックおよび日本電子の協力のもと、5月14日より、ハイエンド電子顕微鏡を企業が支払う年間利用料によって運用し、最先端電子顕微鏡技術の開発などを共同で行うシェアリング型官民連携サービス「オープンラボプログラム」を開始したことを発表した。
近年の技術進歩に伴い、ナノテクノロジー・材料分野などの最先端の研究に必要なハイエンドの電子顕微鏡の利用ニーズがますます高まっている。 一方で、限られた研究予算の中で、大学、 企業、 公的機関が単独で最新のハイエンド電子顕微鏡を購入するのは難しいのが現状である。
このたび開始した「オープンラボプログラム」は、 企業が支払う年間利用料によってNIMSがハイエンド電子顕微鏡の調達・維持管理・運用を行い、この装置をベースにハイエンド電子顕微鏡に関する最新技術・手法の開発や応用研究探索を企業とNIMSが共同で実施するもの。
日本電子の多機能電子顕微鏡「JEM-F200」をオリックス・レンテックからレンタルにて導入するなど、民間のレンタルノウハウを活用することで最新の電子顕微鏡の導入・運用が可能となる。その結果、装置の老朽化や陳腐化を回避し、研究のクオリティと研究効率を向上させることが期待できる。
また、同プログラムでは、 NIMS技術開発・共用部門 電子顕微鏡ステーションにて、ハイエンド分析装置の多機能電子顕微鏡「JEM-F200」(日本電子製)1台をはじめ、原子分解能分析電子顕微鏡(収差補正装置搭載)「JEM-ARM200F」(日本電子製)2台と高性能FIB-SEM複合装置「NB5000」(日立ハイテクノロジーズ製)1台の計3機種4台を利用できる。
NIMS、オリックス・レンテック、日本電子は今後も連携し、大学、企業、公的研究機関の研究者が最先端のハイエンド分析装置を利用しやすい環境を提供することで研究開発をサポートしていくとしている。
なお、オープンラボプログラムの概要は、実施場所が技術開発・共用部門 電子顕微鏡ステーション 千現地区(茨城県つくば市)、年間利用料は351万円(税別)。