シーメンスPLMソフトウェア(以下 シーメンス)は11日、ブガッティ・オートモビルズ(以下 ブガッティ)が、スーパースポーツカー「シロン」の開発でシーメンスのデジタル・ツインを活用し、高機能空力制御システムにさらなるイノベーションを興したと発表した。
今回の成果は、「シロン」に3Dプリントで出力したバイオニックなチタン製コンポーネントとカーボンファイバー強化チューブなどを活用したことから実現したもの。ブガッティは、シーメンスのNXやSimcenterなどのデジタル・イノベーション・プラットフォームをジェネレーティブ・デザインや複合材デザイン、マルチフィジックス・シミュレーションに活用し、イノベーション・プロセスを10倍高速化した。この空力制御システムは軽量化と空気抵抗の低減を実現し、スーパースポーツカーの走行性能をさらに高めたという。
今回のコラボレーションを通して、ブガッティとシーメンスは、リアウィング油圧制御システムに使用するバイオニック中空部品を3Dプリントで作製し、システム全体の50%の軽量化と強度の強化を同時に実現したこと、そしてリアウィング・システムに使用されるコネクティング・ロッドを、超軽量薄肉カーボンファイバー・チューブを用いて再設計したことで、同サイズのスチール・ロッドと比べて強度を3倍、重量を4分の1に軽量化した。同時に、排気ガスに対する耐熱性の向上とセラミック被覆による摩擦低減も実現したとのことだ。