ソフトバンクは5月11日、第5世代移動通信システム(5G)やIoTを活用した各種サービスの導入を検討する企業向けに、5G実験機器で技術検証ができるトライアル環境を提供し、さまざまな企業と新たな価値の共創を目指す「5G×IoT Studio」の「お台場ラボ」を、2018年5月18日にオープンすると発表した。オープンに先立ち、同日、記者向けにラボを公開。本稿ではその様子を紹介する。
同社は、5GやIoTを活用した新たなサービス、ソリューション、プロダクトの提供を目指す企業向けに、5G実験機器での技術検証ができるトライアル環境を提供し、さまざまな企業と新たな価値の共創を目指す「5G×IoT Studio」を2017年2月に開始。今回のお台場ラボは、その取り組みの一環として、5Gと高性能サーバを組み合わせたサービスやアプリケーションの検証環境を提供する。
ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員 兼 COOの今井康之氏は「5Gがスタートするのは2020年だが、すでに企業や行政の方々から5Gを検討したいというご依頼を多数いただいている。また、トラックの隊列走行やロボットの遠隔操作などの取り組みも進んでいる。お台場ラボで5Gの実証実験を先行して展開していく中で、企業の皆さまのご要望などに応えていきたい。我々が推奨しているエッジコンピューティングについても、5Gを活かした形で提供できるのではないかと考えている」と、お台場ラボへの期待を述べた。
また、ソフトバンク テクノロジーユニット 技術戦略統括 先端技術開発本部 本部長の湧川隆次氏は「5Gでは扱えるデータ量が増大する。この大容量のデータをネットワークを経由してクラウドなどに送ると、大きな遅延が発生する。デバイスで処理する場合、遅延はないが、大容量の処理が難しい。そこで我々が考えているのは、エッジコンピューティングの活用。キャリアの基地局の裏、コアの裏に計算環境を用意することで、わざわざインターネットまでいかずとも、我々の中で処理をしてお客さまに低遅延でサービスを届けることができるようになる」と、5Gとエッジコンピューティングの相性の良さを説明した。
ちなみに、お台場ラボでは、エッジコンピューティングの環境も体験できる。また、今回はアーキテクチャにarm、NVIDIA、インテルなど異なるサーバを用意。アプリケーションによって異なるニーズに対応することができるという。
お台場ラボには、5Gのシールドルームが用意されており、5G環境にアクセス可能な検証ルームが4部屋用意されている。利用は予約制で、料金は無料。
デモルームでは、360°カメラの映像をヘッドマウントディスプレイにリアルタイムで伝送するデモや、カメラで捉えた人の位置を把握して動線追跡を行うデモなどが行われていた。
なお、「5G×IoT Studio」では、これまでに赤坂エリア、芝大門エリア、品川エリア、渋谷エリアの4カ所のフィールドで5Gのトライアル環境を提供しており、今回オープンするお台場ラボは5カ所目。