キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)とキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は5月10日、AIを活用した授業支援クラウドシステム「in Campus Scan」を6月1日より提供開始することを発表した。

「in Campus Scan」は、学校の情報発信窓口である「ポータル」と、授業で利用される学習管理システム「LMS」を中心に、ほかのシステムとの連携が可能な、紙のテストの採点情報などを電子化するシステム。キヤノンITSのR&D本部が開発したAI技術によって、テストの手書き数字や生徒の氏名を読み取り、結果を集計することができる。

キヤノンMJとキヤノンITSはこれまで、教育機関向けソリューション「in Campus Series」を明治大学や東京大学、北海道大学などに対して展開してきた。今回、「in Campus Series」に、授業支援システムとして「in Campus Scan」を追加。教職員の学習成果や成績処理といった業務をサポートする。

  • 「in Campus Scan」概要図

    「in Campus Scan」概要図

「in Campus Scan」では、採点済みのテスト用紙と未記入のテスト用紙をスキャンすると、AIが手書きの文字を認識し、名前や学籍番号、点数を自動で判断・抽出してくれる。テスト用紙のフォーマットに制限はなく、名前の位置や梯子枠の有無などを気にすることなく、これまで使っていた用紙をそのまま使用することが可能。そのため、レポートや出欠票などにも使用できる。

クラウドに登録したデータは、学生ごとに分割して保存されるので、教員が自分でファイルを分類する作業などは必要ない。回答用紙が複数枚の場合でも、同一生徒の回答を1つのファイルにまとめてくれる。読み取り結果は、PDFとともにテキストデータ、スキャン画像を表示させるので、目視確認をしながら修正することが可能だ。

  • 読み取り結果画面

    読み取り結果画面

  • 読み取り結果のLMS連携イメージ

    読み取り結果のLMS連携イメージ

提供価格は、「in Campus Scan 小・中・高」が50万円/年~、「in Campus Scan 大学」が100万円/年~だ。通常はクラウドでの提供だが、大学版では要望に応じてオンプレミス型や機能のカスタマイズが可能。発売時期はともに2018年6月1日だ。

また、2018年下期には「in Campus Series」とキヤノンの複合機「imageRUNNER ADVANCE」との連携を実施する予定。これにより、教員は紙のテストをスキャンするだけで、自動的にクラウド上へデータをアップデートし、採点結果の集計から学生への返却までの一連の工程をすべて同プラットフォーム上で実現できるようになる。