NEC子会社、英国"スコットランドヤード"の犯罪事案管理システムを受注

BBCのドラマ「SHERLOCK」には優秀で個性溢れる仲間たちも登場するが、彼らが所属するのは、ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service/通称スコットランドヤード)。英国での観光人気スポットになるほど親しまれるスコットランドヤードの設立は1829年と古く日本では、異国船打払令が江戸幕府から出され、シーボルト事件などが起こっているような時代だ。長い歴史も相まって日本でも小説やドラマと翻訳されて馴染み深いアーサー・コナン・ドイルの本家「シャーロック・ホームズ」やアガサクリスティの「エルキュール・ポアロ」など頻繁に登場する警察組織だが、シャーロック・ホームズにちなんだ通称"HOLMES"(Home Office Large Major Enquiry System)と呼ばれる捜査用DBシステムが1980年代には導入されている。

そんなスコットランドヤードにNEC(日本電気)の子会社であるノースゲート・パブリック・サービシズ(NPS: Northgate Public Services Limited)社のシステムが導入されることが発表された。NPS社は、今年の1月にNECによる買収を経てNECカンパニーとなっている。買収時の同社の発表には、NECの生体認証や顔認証技術とのプラットフォームの融合が大きな効果をもたらすことが述べてある。今回導入が決まったのはNPSの犯罪事案管理プラットフォーム「CONNECT」で情報収集、調査、拘留管理、事案管理の各業務に関する情報の一元管理が可能になり、警察官は警察署に戻ることなくモバイル端末を活用した迅速な記録の閲覧や判断が可能になるという。また、NPSは英国の警察向けITソリューション市場でトップシェアとなったことも合わせて発表している。NECとNPSは今回の実績も踏まえ、英国に加え日本と法制度の似た英連邦(コモンウェルス)を中心にソリューションの提供を進めていきますと述べている。